大嵜直人のブログ

文筆家・心理カウンセラー。死別や失恋、挫折といった喪失感から、つながりと安心感を取り戻すお手伝いをしております。

初冬の鈍色の空は、郷愁を誘い。

ここのところ、あまり天気のすぐれない日が続いておりました。

気温も、また少し下がったような気がします。

時候はもう「立冬」で、暦の上では冬なんですよね。

七十二候でも、「地始凍(ちはじめてこおる)」。

読んで字のごとく、冬の冷気によって地が凍るころとされます。

冷え込みが徐々に厳しくなり、霜が降りる日もあり、朝の窓には結露がつきはじめるころでもあります。

あれ、拭くのがほんと億劫なんですよね…冷たいですし…

なんとか発生しないでもらえませんかね笑

まだ私の住んでいる名古屋では、まだ地面が凍るほど冷え込んではいませんが、今年も暖冬なのでしょうか。

あなたのお住まいのところは、いかがだったでしょうか。

 

鈍色の空を見上げていると、季節は冬なんだな、と実感します。

冬を感じて思い出すのは、決まって故郷の冬のような気がします。

小学生のころか、中学生のころか。

西の方に見える、高い山々から吹く冷たい風に、身をすくませていた、冬の朝、通学路の風景。

故郷を離れて、何度も冬を経ているのですが、なぜか思い出すのは小さいころの故郷の空です。

これが、夏の空だと、そうでもないんですよね。

いろんな夏の風景があるのですが、それらは故郷の風景に限ったわけでもないのです。

なぜでしょうね。

夏に比べて、冬は旅行とか遠出とかをあまりしないからでしょうか。

不思議です。

 

そんなわけで、冬色の空を見上げていると、郷愁に駆られるのです。

なつかしい、というわけでもなく。

戻りたい、というわけでもなく。

ただ、そんな時代があったな、と。

なんか、中島みゆきさんの歌の歌詞ですね笑

もちろん、それは楽しい思い出ばかりでもなく、悲しかったことや、苦しかったこともあるのですが。

ただ、それは生きていた、ということなのでしょうか。

 

鈍色の空を眺めながら。

同じ色の空を眺めていた、あの頃を思い出すのです。

そこに戻りたいとも、それを変えたいとも思わないのですが。

ただ、その空を眺めていた小さな私を、そっと愛でてあげたいと思います。

それしか、できないのかもしれないですしね。

 

冬の鈍色の空。

あなたは、その空にどんな想いを寄せるのでしょうか。

ずいぶんと寒くなってきました。

どうぞ、暖かくしてご自愛くださいませ。