大嵜直人のブログ

文筆家・心理カウンセラー。死別や失恋、挫折といった喪失感から、つながりと安心感を取り戻すお手伝いをしております。

いまの自分を愛せない心理。

自己肯定のベースになるのは、「いま、ここ」にいる自分を愛することです。

ただ、それが難しいこともあります。

そんな、いまの自分自身を愛せない心理を、掘り下げてみたいと思います。

1.自己肯定に条件はいらない

昨日の記事では、自己肯定に条件はいらない、というテーマでお伝えしました。

 

自己を肯定すること。

自分を受け入れる、許す、そして愛する。

結局のところ、すべての問題はそこに執着するようです。

自分を愛せないから、自分を受け入れられないから、いろんな問題をつくりだす。

自分で自分を肯定することが、問題解決の一歩目であることは、間違いありません。

けれども、私たちは自分を肯定するというとき、何がしかの条件をつけたがります。

「〇〇ができたら」

「△△さんに認められたら」

「▲▲な自分になれたら」

そうした目標や基準を持つことは、決して悪いことではありませんが、それを自己肯定の条件にしてしまうと、いろいろと苦しくなります。

自己肯定の最も大切なベースになるもの。

それは、条件をつけることではなく、「いま、ここ」にいる自分をまずは受け入れること、愛することというのが、昨日のテーマでした。

そこに、何の条件も要らないんですよね。

2.自分を愛せない心理

自己肯定の一歩目は、「いま、ここ」にいる自分を受け入れること、愛すること。

けれども、それが難しいんですよね。

「それができたら、苦労しないよ…」と思われるのも、そうですよね笑

今日は、なぜそれができないのかという心理を、少し掘り下げてみたいと思います。

いまの自分を愛せない、自己否定してしまうのには、いろんな要因があります。

それを一つにまとめてしまうのも乱暴なので、今日のテーマはその一つの可能性として捉えていただければ幸いです。

その一つの可能性としてあるのが、「いまの自分を愛してしまうと、いままでの苦しんできた自分を否定してしまうことになってしまうから」という心理です。

いまの自分を、「そのあなたが素晴らしい」と愛せたとしたら。

それは、いままで苦しんできた自分を、否定してしまうことになってしまう。

これ、白黒つけたがる自立の人によく見られる心理だと思います。

「いまの自分がOK」ならば、「過去の自分は間違っている」という図式になると感じてしまう。

そして、過去の自分を自分が否定するのは、しんどいものです。

だって、過去の自分ががんばってきたこと、苦しんできたこと、それでも前を向こうとしたことを、自分自身が知っているんですから。

それを自分が否定するのは、心苦しい。

だから、いまの自分をそのままに受け入れるのは、難しいんです。

3.過去の自分は間違ったわけでも、悪いわけでもない

このパータンを手放していくのは、先ほど書いた自立の心理の手放しがヒントになります。

すなわち、「どちらかが正しければ、どちらかが間違っている」という、100:0の思考を手放していくことなんですよね。

自立が進むと、どうしても「正しい・間違っている」という二元論というか、二項対立の思考パターンになりやすいものです。

自分が正しい立場にいなければ、依存に叩き落されてしまうから、それは自立の人にとって死活問題なんですよね。

でも、世の中のことって、決して「正しい・間違っている」「いい・悪い」だけで説明できるわけじゃないじゃないですか。

むしろ、その重なっているところというか、グレーなところだらけなのが、人の世といえるのかもしれません。

正しくはないかもしれないけれど、それは悪いことでもない。

何か過ちや間違いを犯したかもしれないけれど、ただそうするしかなかった、それだけなのかもしれない。

過去の自分を、間違っている、合っている、正しい、間違っているといった基準で判断しない。

ただ、そうするほかなかった。

そう受け入れていくことが、自分自身を受け入れる、大切なステップになります。

それは、自立を手放していくプロセスと、同じなのです。

今日は、いまの自分を愛せない心理、というテーマでお伝えしました。

ここまでお読みくださり、ありがとうございました。

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