大嵜直人のブログ

文筆家・心理カウンセラー。死別や失恋、挫折といった喪失感から、つながりと安心感を取り戻すお手伝いをしております。

「変わる」とはOSが変わるようなものであり、それを「癒し」と呼んだりもする。

自分を変えたい、と思ったとき。

その変化は、何かを付け加えたりするものではなく、スマホでいうOSそのものが変わることだったりします。

そして、ものごとの見方がポジティブに変化することを、「癒し」と呼んだりするのです。

1.「変わる」よりも「愛する」こと

昨日の記事では、「変わる」よりも「愛する」こと、というテーマをお伝えしました。

パートナーシップと変化4 ~「変わる」というよりも、まずは「戻る」こと - 大嵜直人のブログ

パートナーに「変わってほしい」と感じるとき、それは自分が「変わらないといけない」「変えたい」という思いの「投影」であることがあります。

自分が自分に対してそう感じている分だけ、それを相手に求めてしまったり、そうあってほしいと願うわけですね。

そんなとき、パートナーを変えようと躍起になるよりも、自分と向き合う方が大切になります。

なぜ、自分は自分を変えたいと思っているのか。

その根っこと、向き合ってみること。

それは、パートナーを変えようとするよりも、多くの実りをもたらしてくれるものです。

「変えたい」という根底には、自己否定があったりするものです。

それを癒していくことができると、もしかしたら無理に自分を変える必要もなくなるかもしれないのです。

2.ほんとうの意味での「変わる」とは

さて、パートナーシップから少し離れて、その自分を「変える」ということについて、もう少し考えてみたいと思います。

自分を「変えたい」という思いは、誰でも抱いたことがあるものだと思います。

それが、自己否定からくる変身願望だと、ちょっとしんどいというのは、これまで書いてきた通りです。

じゃあ、自己否定ではない、ポジティブな意味での自分が「変わる」とは、どういったことなのでしょうか。

後者の「変わる」とは、ある意味でスマホやパソコンのOSを変えるような変化をイメージしていただけると、分かりやすいかもしれません。

アプリを加えたり、削除したりするのではなく、そもそもその土台となって動かしているOS自体が、変わってしまう。

そうした変化が、真の意味での「自分を変える」ということなのでしょう。

新しいアプリをインストールしたりするのは、何かを身につけるとか、できるようになるとか、そういったイメージですよね。

それも「変わること」といえばそうなのですが、それは根源的な意味での変化ではありません。

(もちろん、何かができるようになること自体は、とても素晴らしいことです)

アプリを入れるのではなく、削除するのでもなく、自分を動かしているOS自体が変わること。

さしずめ、AndroidからiOSに変わるような。

それが、ポジティブな意味での、真の意味での変化なのでしょう。

3.ポジティブな意味での変化を「癒し」と呼ぶ

さて、こうした意味での変化は、これまでお伝えしてきた、ある概念と同じことを指しています。

そう、「癒し」です。

私のブログでも、何度も扱ってきたテーマですね。

カウンセリングでも、中心的な話題になることが多いものです。

「癒し」とは、ものごとのとらえ方、解釈がポジティブに変化することを指します。

同じできごと、同じ経験をしても、そのとらえ方は人それぞれ、千差万別です。

人間万事塞翁が馬、の例ではないですが、人生最悪のできごとだと思っていたことが、実は人生を切り開くことになるきっかけだった、ということは、少なくありません。

受験に失敗して、第一志望の学校に行けなくて最悪だと思ったけど、そこで最高の友だちに出会えて、失敗が失敗でなくなった。

親が過干渉気味でずっとストレスを感じていたけれど、自分が子育てをする側になって、親の気持ちがよく分かるようになり、親は自分を愛してくれていたと感じることが多くなった。

そんなことは、誰にでも起こりうるものです。

こうした変化を、「癒し」と呼びます。

「癒し」が起こると、世界の見方が変わります。

それゆえ、自分の過去の見方も変わりますし、周りの人に対する見方もまた変わります。

それゆえ、自分の行動も変わっていく。

それこそが、OSが変わるという変化であり、まさに「癒し」と呼ばれるものです。

カウンセリングでも、こうした「癒し」が一つのテーマになることが多いものです。

「癒し」が起こることで、主体性が生まれ、「なにがあっても、大丈夫かな」と思えることが増えていきます。

これが、とても大切なことだと私は思うのです。

生きていくなかで、問題や厄介ごとは誰にでも起こりますし、避けることができないものです。

そこで自分を見失ってしまうこともあるのですが、そこでしっかりと自分と向き合い、癒していくことで、何が起こっても大丈夫な自分に少しずつなっていくことができるのです。

それは、自分一人でなんとかできる、という意味ではありません。

周りを頼ってもいいし、カウンセラーに相談してもいい。

自分には助けてくれる人がいて、その人たちに助けてもらえるという実感を持てるようになること。

それが、「癒し」である、カウンセリングでもとても大切なテーマなのです。

今日は、変わるよりも戻ること、というテーマでお伝えしました。

ここまでお読みくださり、ありがとうございました。

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