大嵜直人のブログ

文筆家・心理カウンセラー。死別や失恋、挫折といった喪失感から、つながりと安心感を取り戻すお手伝いをしております。

感情を溜め込むと、周りの人との関係性を損なってしまう2つの理由。

感情を溜め込んでいると、周りの人との関係性を損なってしまいます。

その2つの理由について、考えてみたいと思います。

1.感情を溜め込むと、ロクなことがない

先日の記事では、感情を溜め込むと、ロクなことがない、というテーマでお伝えしました。

溜め込んだ感情は、いつかツケを払うことになる。 - 大嵜直人のブログ

自分の感情を感じるのを我慢していると、のちのちロクなことがありません。

感情を溜め込んで、なんとなくやり過ごしてしまう。

それが癖になっていたりすると、後からツケを払うことになってしまう、というのが昨日のテーマでした。

感情って、勝手に湧いて出てくるものであり、自分でコントロールできないものです。

それを、「感じるのが面倒」とか、「いや、自分は悲しくないんだ」とか、いろんな事情で蓋をしてしまうことがあります。

あるいは、周りの人のことを優先して、自分が感じていることを無視してしまったりすることも、ありますよね。

けれど、感情は勝手になくなることは、ありません。

ずっと、自分の心の内に、マグマのように溜まり続けるのです。

そして、溜め込んだ分だけ、なおさら抑え込むのにエネルギーを使います。

爆発寸前の火山の噴火を止めようとしたら、膨大な労力というか、エネルギーが要りますよね。

それと、同じです。

感情を抑え込んでいると、それにエネルギーを取られてしまい、無気力な状態になってしまうことも、少なくありません。

そして、抑えられなくなった感情が、ある日思わぬところで爆発してしまったり。

だから、感情を溜め込むのは、ロクなことにならないのです。

いま、自分が感じていること。

それに耳を傾けることは、非常に大切なことです。

2.感情を溜め込むこと、周りとの関係性を蝕む

さて、今日はそうした感情を溜め込むことの弊害について、もう少し見てみたいと思います。

自分が感情を溜め込んでいると、周りの人との関係性に、悪い影響を与えます。

ぎくしゃくしたり、すれ違ったり、ぶつかってしまったり。

感情を溜め込んでいると、そうした葛藤を引き起こします。

これ、なかなかしんどいんですよね。

だって、自分は自分で感情を抑え込むのにエネルギーを使って疲れているのに、周りの人との関係性も悪化するなんて、泣きっ面に蜂ですよね。

なぜ、そのような葛藤を引き起こすのか、その心理について考えてみます。

その理由は、二つあります。

一つは、自分の余裕がなくなることです。

先ほどもお書きしたように、感情を溜め込んでいると、それにエネルギーを取られてしまいます。

たとえてみるならば、ぐらぐらと沸騰したお湯の入った洗面器を持たされているような、そんな感じでしょうか。

そりゃあ、余裕もないですよね…こぼしたら、大変ですから笑

その洗面器を持たされた状態のまま、周りの人にやさしくしたり、気遣いをしたりできるかといえば、無理ですよね。

「いや、ちょっといま、無理だから!」

と、ぶっきらぼうな対応をしてしまうかもしれませんし、

「頼んでおいたこと、早くやってよ!」

と、相手に攻撃的な態度を取ってしまうかもしれません。

そうした態度を取られた相手は、いい気はしないですよね。

感情を溜め込むと、余裕がなくなり、そして周りの人への対応もまた、おざなりになってしまう。

これが、一つ目の理由です。

3.自分の状態を投影してしまう

二つ目は、いつものおなじみ、「投影」の心理です。

感情を溜め込んでいるということは、外から見える表情やしぐさとは、別のものを腹のなかに持っている、ということでもあります。

言ってみれば、顔は笑っているけれど、腹の内では怒っている、といったように。

これ、「自分がそう見えてしまうので、周りの人がとっつきにくい」というのもそうなんですが、それ以上に周りの人との関係に悪い影響を与えます。

それは、自分の感情と表情や行動が一致していないと、それを周りの人に「投影」してしまうんですよね。

そうすると、「この人、顔は笑っているけれど、ほんとうは怒っているんじゃないか」と感じてしまいます。

そうすると、「なんか、この人は信用できそうにないな」と、疑心暗鬼になってしまうのです。

この状態で、周りの人との関係性がよくなるかといえば…なかなか難しいですよね。

そうなんです。

自分の感情をどう扱っているかは、周りの人をどう見るかにも大きく影響してしまうんです。

もちろん、自分がどう見えたとしても、他人の感情なんて、分かりません。

けれども、自分の感情を無視したりしていると、周りの人との関係性の架け橋が、最初から失われているような状態になってしまうのです。

これが、感情を溜め込んでいると、周りの人との関係性を損なってしまう、二つ目の理由です。

 

いずれにしても、感情を溜め込むのは、周りの人との関係性を考える上でも、ロクなことはなさそうです。

いかに、自分の感じていることに、耳を傾けられるか。

それを考えてみることは、大切な人との関係性を改善することにもつながるようです。

今日は、感情を溜め込むと、周りの人との関係を損なってしまう2つの理由、というテーマでお伝えしました。

ここまでお読みくださり、ありがとうございました。

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