大嵜直人のブログ

文筆家・心理カウンセラー。死別や失恋、挫折といった喪失感から、つながりと安心感を取り戻すお手伝いをしております。

「投影」を通じた、自分の感情の気づき方。

自分が何を感じているのかを知るために、「投影」の視点が役に立ちます。

この視点を使うことは、実に大きな恩恵を私たちに与えてくれます。

1.感情を感じることと、行動することは別のもの

昨日の記事では、感情を感じることと、行動をすることは別のもの、というテーマでお伝えしました。

感情を感じることと、そこからどんな行動を選ぶのかは、まったく別のもの。 - 大嵜直人のブログ

もとは、自分を尊重するためには、感情を感じることと、それを表現することが欠かせない、というお話の流れからでした。

出口がないと詰まってしまうように、感情もまた表現することをしないと、感じることもできなくなってしまいます。

しかし、周りを気遣える人ほど、自分の感情を表現することは「ワガママ」に感じてしまい、なかなかそれが難しかったりします。

それは決して「ワガママ」じゃないよ、ととらえるための視点が、昨日のテーマでした。

もちろん、「ワガママ」な場合もあります。

それは、感情と行動が同じになっている場合です。

少し違う表現をすると、「感情からくる自分のニーズを、そのまま他人にぶつけている状態」といえるでしょうか。

それは、小さな子どもならOKかもしれませんが、成熟した大人のすることではないですよね。

もちろん、時にしてしまうこともあるのが、人間ではありますが笑

感情は、コントロールすることができません。

湧き上がってきたものは、ただ感じて流していくことしかできません。

その上で、自分がどんな行動を取るかは、別の選択なんですよね。

感情を感じることと、行動をすることとは別のものというテーマは、そういった意味でした。

2.「投影」を使った感情の気づき方

さて、今日はこの感情を感じる、という点について、もう少し考えてみたいと思います。

昨日は出口の話でしたが、今日は入り口の話ですね。

感情を感じることを抑圧してしまったり、自分の感情を無視したりすると、それだけで膨大なエネルギーを使ってしまいます。

「ある」ものを、「ない」ものとして扱ってしまうのですから、それはそうですよね。

ただ、この感情を感じるというのも、なかなか難しいものです。

というか、感情を抑圧するのが習慣になってしまっていると、「自分が感じていることって…?」という状態になってしまいがちです。

でも、心配しなくても大丈夫なんです。

自分の感情を教えてくれる、とっても便利?なものがあるんです。

それが、「投影」の視点です。

はい、心理学の基本中の基本であり、何度扱っても足りないくらい、大切な概念ですね。

「投影」とは、自分のなかにあるものを、外の世界に映し出すという心の作用を指します。

感情だったり、価値観だったり、あるいは過去の経験だったり。

そうしたものを、いま自分の目の前に見えている景色や人物に映し出すわけですね。

これを逆から見ると、目の前に現れるものは、自分自身の「投影」であるといえます。

この視線を突き詰めていくと、「世界の創造主は自分自身」という見方もできますよね。

さて、自分の目の前に現れるものが、自分の心の内の投影であるならば。

自分の周りに何が見えるかで、自分の心の状態を知ることもできるわけです。

なぜか、怒っている人ばかりが目に付くとしたら。

それは、自分のなかに怒りを溜め込んでいるせいかもしれません。

なぜか、悲しいニュースばかりが気になるとしたら。

それは、自分のなかの悲しみの投影であるといえます。

こうした、外の世界に見えるものを通じて、自分の感情に気づくことを、「投影を取り戻す」と呼んだりもします。

なので、「感情を感じましょう」といわれると、自分の内側だけを気にしたくなりますが、外の世界を通じて、自分の感情を知ることができるんですよね。

これが、「投影」を使った、自分の感情の気づき方になります。

3.目に映るものはメッセージ

この「投影」を使った視点は、とても大きな恩恵を私たちに与えてくれます。

それは、目に映る風景や周りの人は、自分の状態を教えてくれるに過ぎない、という視点です。

怒っている人がいたとして。

「怒る人は苦手だな」と感じたら、その人が怒るのをやめさせようとしますよね。

けれど、他人の行動をコントロールできるかといえば、できませんよね。

それで、葛藤したり、傷ついたりしてしまいますよね。

パートナーシップや、子育てのなかで、よく起きますよね笑

しかし、それを「投影」の視点から見ると、少し違ってきます。

そこに怒っている人がいれば、それは自分自身の怒りの「投影」かもしれない。

自分が、密かに怒っていること、ほんとは怒っているのにガマンしていることは、ないだろうか…?

そうした内省の視点で、見ることができるんですよね。

それは、とても大きな気づきを私たちに与えてくれるものです。

その視線を持つことができると、周りを変えようとしても変わらなくてイライラしたりせず、自分の問題としてとらえることができるようになっていくのです。

今日は、「投影」を通じた、自分の感情の気づき方、というテーマでお伝えしました。

ここまでお読みくださり、ありがとうございました。

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