大嵜直人のブログ

文筆家・心理カウンセラー。死別や失恋、挫折といった喪失感から、つながりと安心感を取り戻すお手伝いをしております。

「小満」、満ち足りていないものこそ、満ち足りているのかもしれない。

今週は、はっきりしない天気の日が多かったですね。

曇りで太陽が見えず、どこか困ったような、そんな空模様の日が多かったような気がします。

息子とベランダでピーマンを育てているのですが、なかなかお日さまが出ないと、少し元気がないように感じます。

やはり、陽の光の力というのは、偉大ですね。

ただ、気温はずいぶんと上がってきた気がします。

週の半ばでは30度を超える真夏日もありましたし、朝の散歩をしていてもじっとりと汗をかくようになってきました。

気温もそうですが、湿気が高いんですよね。

梅雨入りが近づいてきたことを感じさせるような、蒸し暑さを感じる日が続きました。

 

時候は、「小満」を迎えました。

「満ちる」の字の通り、あらゆる生命が天地に満ち始める、とされる時候です。

今週はお天気はいまいちでしたが、太陽の光を浴びて、また日ごとに高くなる気温に、植物が大きく育ち成長していくころです。

七十二侯では、「蚕起食桑(かいこおきてくわをはむ)」。

このすべてが満ちる時候にあわせて、蚕もまた桑の葉をたくさん食べて成長していく時期です。

多くのものごとが、満ち満ちていく時期なんですよね。

 

さて、この「小満」ですが、二十四節気の名の中では不思議なところがあります。

それは、「小」に対応する「大」の節気の名前が、ないんですよね。

「小暑」には「大暑」。

「小雪」には「大雪」。

「小寒」には「大寒」。

それぞれ、「小さい」という語がつく時候には、それに対応するものがあるのに、「小満」だけはそれがありません。

「小満」の次は、「芒種(ぼうしゅ)」です。

「大満」(?)では、ないんですよね。

なぜ、「小満」の反対がないのか、とても不思議ですよね。

いろいろ見方はあるのでしょうけれども、「満ちる」というのは、「小さい」、つまり途上であることがすべてなのでしょうか。

月の満ち欠けも、満ち足りたら、また欠けていくものです。

逆にいえば、満ち足りていない状態こそ、満ち足りていると見ることもできます。

なんだか、禅問答のようですね笑

ただ、「小満」の対極に「大満」がないことは、どこかそんなことを教えてくれているような気がします。

 

とはいえ、湿気も上がってきて、身体には負担の大きい時期でもあります。

湿気があるのとないのでは、身体の疲労度が違いますよね。

無理せず、ご自身のペースでいきましょう。

どうぞ、ご自愛くださいませ。