大嵜直人のブログ

文筆家・心理カウンセラー。死別や失恋、挫折といった喪失感から、つながりと安心感を取り戻すお手伝いをしております。

乃東枯。盛りに向かうときこそ、枯れゆくものに目を向けてみる。

それにしても、今週は急に暑くなりました。

つい先日まで、5月のからっとした爽やかさが残っていたような気がするのですが、気のせいのようです笑

それくらい、急に暑くなりましたね…

私の住んでいる名古屋でも、真夏日となる35度に近い気温の日がありました。

アスファルトの上を歩いていると、「あ…この熱気の感じ、久々だな…」という感覚がありました。

熱中症というか、そういう心配をしないといけない気温になってしまいまして、さすがにエアコンを稼働させました。

これからしばらくお世話になります、とエアコン選手にご挨拶をしておりました。

 

そんな暑さの今週ですが、時候は「夏至」を迎えました。

夏に、至る。

一年の中で最も昼間の時間が長く、夜が短い季節。

気温はまだまだこれから上がっていきますが、日の長さは少しずつ少しずつ、短くなっていきます。

七十二侯では、「乃東枯(なつかれくさかるる)」。

冬至のころに芽を出す珍しい草である「ウツボグサ」が、枯れていく頃とされます。

これから暑い盛りに入っていきますが、それと入れ替わるように枯れていくのがウツボグサだそうです。

この暑い盛りに向かう季節の名前を、そうした枯れ行く草に託す。

つくづく、この七十二侯の名前は、なんとも美しいものが多いものです。

 

盛りに向かうときこそ、枯れゆくものに目を向ける。

その姿勢は、実に美しいものの見方のように感じるのです。

どうしても、盛りの方に目が向きがちになってしまいますけれどね。

ただ、放っておいても、盛りに向かうものは多くの人の目を惹くものです。

それもいいのですが、夏枯草、ウツボグサのように、ひっそりと枯れていくものに目を向けてみること。

そんな花があることに、想いを寄せること。

そうすることで、また見えてくるものがあるのかもしれません。

 

湿気も高く、急に暑くなりました。

身体もまだ暑さに慣れず、しんどいこともあるかと思います。

どうぞ無理せず、ご自愛くださいませ。