「嫌い」なものとは、向き合わないといけない、という考え方があります。
それはそれで正しいのですが、まずは自分が「嫌い」と感じたことを大切にすることが、スタートラインになるのです。
１．相手を嫌うときに葛藤を感じるときは
昨日の記事では、相手を嫌うときに葛藤を感じるときは、というテーマでお伝えしました。
相手を「嫌い」と感じることに、申し訳なさを感じるときは。 - 大嵜直人のブログ
カウンセリングでお話を伺うような、さまざまな問題と向き合うときに、自分の好きなことは、大切なベースになるものです。
自分が何が好きで、どんなことをしているときにリラックスできて、どんなことに惹かれるのか。
そうしたことを認識しておくことは、問題の解決策を考える上でも、非常に参考になるものです。
しかし、この自分が何が好きか、という点が曖昧になってしまうことがあります。
そんなときは、「好き」の反対にある「嫌い」もまた、ぼやけていたり、また見ないようにしていたりするものです。
自分が何が「嫌い」なのかを、はっきりさせておくことは、自分を大切にするために重要なことでもあります。
ただ、この「嫌い」と感じることに、申し訳なさを感じてしまう人がいます。
「相手を嫌ったら、申し訳ないし、なんだか悪い気がする」といったように。
しかし、感情が生まれることがコントロールできないように、「嫌い」という感覚もまた、それを抑えることもできないものです。
それを無理矢理に抑えようとすると、その反対にある「好き」も分からなくなってしまうのでしょう。
「嫌い」なものは、嫌いでいい。
ただ、その上で、自分がどのような行動を選ぶのかは、選択できるわけです。
そして、相手を嫌うことに葛藤を感じる人は、どんな相手でも受け入れようとする度量というか、器が大きいという才能を持っているとも言えます。
昨日の記事では、そんな「嫌い」にまつわるテーマをお伝えしました。
２．「嫌い」と向き合わないといけない？
さて、こうした自分の「嫌い」をおろそかにしてしまう理由として、「嫌い」と向き合わないといけない、という見方があります。
「嫌いなものから逃げてはいけない」ではありませんが、そこは避けてはいけない、というか。
あるいは、心理的な見方として、「相手の嫌いな部分は、自分の投影」といったものもありますよね。
はい、ここでも何度もお伝えしてきました笑
そうなると、どっちが正しいの？と思われるかもしれませんが、これって順番の問題だけなんですよね。
「嫌い」なものに向き合うにしても、自分の投影の問題として扱うにしても。
まずは、その対象や人が「嫌い」であることを、認識することからはじまります。
「わたしは、これ（この人）が、嫌いだ」
そう認識することが、すべてのスタートです。
これを認めずに、「嫌ってしまうのは、よくないよな」とか、「それも自分の投影だから」としてしまうと、わけがわからなくなります。
まずは、「嫌い」だと認めること。
その上であれば、それを避けるでも、向き合うでも、いいんです。
元気がなければ、それを避けてもいいでしょうし、向き合う気になれば、自分の投影と向き合っても、いいのでしょう。
３．自分の感じたことを、否定しない
根底にあるのは、自分の感じたことを、まずは否定しない、という点です。
どんな感情であれ、どんな好き嫌いであれ、自分がいま感じていることを、否定しない。
それを、丁寧に報告してくれる３歳児への対応よろしく、「そうだったんだねぇ」と、まずはそのままに聞いてあげる。
それが、何よりも大切なことです。
それが正しいとか、間違っているとか、心理的にとか、よくないとか、そうしたことは、後からでいいんです。
自分が感じていることを、まずは自分が認めて、受け入れてあげる。
これ、書くのは簡単ですけれども、結構難しいことです。
どうしても、「それはおかしい」とか、「そうはいっても、しょうがないじゃん」とか、そんな風に考えてしまいがちです。
けれど、自分の感じていることを、自分がそのままに受け止めることができたら。
それは、世界のなかで一人だけでも味方がいる感覚になれます。
それは、何よりも私たちに安心感を与えてくれるものです。
今日は、「嫌い」なものとは、向き合わないといけない？、というテーマでお伝えしました。
ここまでお読みくださり、ありがとうございました。
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