「許せないあの人に、感謝できる私って、どんな私だろう？」
その問いかけは、私たちを導いてくれるようです。
１．「許し」は「感謝」へと至る
「許し」の意味とそのプロセス
ここのところ、「許し」についてのテーマを続けて書いております。
「許し」とは、相手のためにすることではなく、自分自身のためにするもの。
それは、誰かを責める罪悪感から自分を解放し、自分自身の人生を送る手助けとなります。
そして「許し」にはプロセスがある、ということ。
溜まっている「感情の解放」することが、最初に必要なこと。
溜まりに溜まった感情があると、どうしてもその感情に振り回されて、他の視野を持つ余裕がなくなるからです。
そうして溜まった感情を解放していくと、その相手の立場や状況だったら、という視点を持つことができるようになります。
「感情的理解」と呼ばれる、他人へのアプローチです。
「同じ状況だったら、自分も同じことをしたかもしれない」
そんな風に、相手の人のことを理解できたら、見えてくる風景が変わります。
「許し」へのプロセスが、ずいぶんと進んでいるといえます。
「感謝」へと至る「許し」
さて、その「感情的理解」が進むと、その相手やできごとへの「感謝」が芽生えます。
「あの人のおかげで、私は変わることができた」
「あのできごとがあったおかげで、大切なことに気づくことができた」
起こったときには人生最悪だったと感じることでも、時間が経ってみると、その後の人生のターニングポイントだった…
そんな風に感じると、そのできごとやその相手に対して「感謝」ができるようになります。
「絶対に許せないと思っていた人」
「人生最悪のできごと」
そうしたことに「感謝」するなんて、日本語としておかしいと思われるかもしれません。
けれども、「許し」のひとつの到達点は、ここにあります。
そして、そんな相手やできごとに「感謝」できるとき、その人に訪れる恩恵たるや、莫大なものがあるのでしょう。
２．ニワトリ問題 ～許しが先か、感謝が先か
許せない相手に感謝する？
「許し」の道の先には、「感謝」がある。
「感謝」することが大切なのは、いたるところで聞きますよね。
けれども、この「許し」のなかでの「感謝」が特異なのは、自分に何かしてくれた人、何かを与えてくれた人に対する「感謝」ではないわけです。
（もちろん、そうした人への「感謝」が大切なのは変わらないのですが）
自分に与えてくれた人どころか、自分を傷つけたり、自分を裏切ったりした（と感じる）人に、「感謝」をしようというのです。
考えてみれば、すごいことですよね。
「私のことをずっと大切にしてくれて、ありがとう」
が普通なのに、
「ほかの人と、浮気してくれてありがとう」
というわけですから。
日本語として、なんだかおかしいですよね笑
けれども、不思議なんですけれども、「許し」が進むとそんなことを感じる瞬間があるのです。
どうせ「感謝」するなら、最初からしておくのも一つの方法
だから、「感謝」が大事というのは、その通りなんです。
むしろ、どうせ「許し」の先には「感謝」があるのだから、もう最初から「感謝」しておこうぜ！という考えも、一つの真実です。
「許し」の先に「感謝」があるのなら、「感謝」をすることで「許し」に至ることもできる。
ものすごく変なたとえかもしれませんが、ニワトリが先か、タマゴが先か、という問いと、同じようなものかもしれません。
けれども、どうしても許せなくて、苦しいとき。
いくら感情を感じても、恨みつらみが消えないとき。
そんなときは、無理やりにでも「感謝」を送るというのは、一つの方法です。
ものすごく、抵抗が出ます。
「絶対にイヤ！」と頭が拒否してきます。
けれども、その「感謝」を送ることで、変わる何かがあります。
私も、どうしてもしんどいとき、「大嫌いな、許せないあの人に、感謝を送ろう」と思っていました。
それでも、どうしても抵抗が出るとき、「許せないあの人に、感謝を送ることができる私になれますように」と祈っていました。
３．許せないあの人に「感謝」できる私って、どんな私だろう？
どうしても許せないあの人に、感謝を送ることができる私。
それは、どんな私なのでしょう。
その相手に、感謝を送ることができる私を、少し想像してみてください。
どんなことを考え、どんな言葉を話しているでしょう。
どんな表情でいて、どんな雰囲気でいるのでしょう。
不俱戴天の仇敵の幸せを、本気で祈ることができる私。
それは、どんな私でしょう。
「そんなことは、想像できない！」と思いますか。
でもね、大丈夫です。
今日のこの「許し」の記事に、なにがしかを感じるあなたなら。
かならず、あなたはそうなっていくんです。
許せない人に感謝し、そして幸せを祈ることができるようになれます。
そのとき、あなたはどんなあなたでいるのでしょうね。
どんな、素晴らしい恩恵が、天から降り注いでいるのでしょうね。
ぜひ、それを想像してみてください。
それは、実現しますから。
今日は、「許し」の一つ到達点である「感謝」について、お伝えしました。
ここまでお読みくださり、ありがとうございました。
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