大嵜直人のブログ

文筆家・心理カウンセラー。死別や失恋、挫折といった喪失感から、つながりと安心感を取り戻すお手伝いをしております。

癒されると、問題は気にならなくなるし、忘れてしまう。

「癒し」とは、ものごとの見方がポジティブに変わることであり、カウンセリングでも中心的なテーマの一つです。

では、癒されるとどうなるのか?について、お伝えしてみたいと思います。

1.「変わること」と「癒し」

先日の記事では、「変わること」と「癒し」について、というテーマでお伝えしました。

真に「変わる」とはOSが変わるようなものであり、それを「癒し」と呼んだりもする。 - 大嵜直人のブログ

「自分を変えたい!」と思ったときに、少し振り返ってみたい視点です。

自分を変えたいと思うとき、まずは自己否定から変えようとしていないか?というのが、一つのポイントでした。

ネガティブな感情は、私たちに行動するように駆り立てます。

家の中に黒いGが出たら、「イヤー!!」と殺虫剤を取りに行きますよね笑

自己否定というガソリンは、「変わらないと!」という強い衝動となって、私たちを突き動かします。

しかし、そうした動きは、なかなか長続きしないものです。

どこかで疲れてしまったり、止まってしまったり、あるいは、たとえ変化が起こったとしても、それでも「いや、これじゃ足りない」と感じてしまったりすることは、多くの方が思いあたる節があるのではないでしょうか。

自己否定から行動することは、スタートダッシュは決められるものの、その先にはさらにしんどい状況だったりします。

そう考えてみると、自分を変えないとと思ったときに、真に必要なのは「変わること」ではなくて、自分を愛することであり、自分の価値を認めることであり、自分を許すことなのでしょう。

自分を否定していた見方を、自分を愛する、ポジティブな方に変えていくこと。

それを「癒し」と呼んだりもします。

カウンセリングで、最も重要なテーマの一つです。

2.真の癒しは、気にならなくなること

こうした意味での「癒し」が起こると、無理に自分を変えようと思わなくなる傾向があります。

もちろん、人それぞれに個性や資質がありますから、癒されたらめっちゃアクティブに自分を変えていくようになった!という人も、いるのでしょう。

けれど、共通して言えるのは、そこで変わっても変わらなくても、あまり気にならないというか、そこにこだわらなくなることでしょうか。

「変わらないとダメ」という見方では、なくなるわけですね。

そうすると、「変わってもいいし、変わらなくてもいい」という、ある意味でゆるい見方ができるようにもなります。

あるいは、先ほどのアクティブな人の例であれば、「変えていくプロセスが楽しい」と、結果よりもプロセスを楽しめるようになったりします。

この結果にこだわらなくなるというか、ある意味で執着がゆるんでいるというか、そういった状態が、いわゆる「癒し」が起こったときの特徴だったりします。

任せているし、委ねているし、受け入れているわけです。

これだけ聞くと、なんか諦めているように、無気力なように見えるかもしれませんが、そうではないんです。

諦めの根源にあるのは、自己否定であり、未来への不信です。

けれども、先ほどの癒された状態では、自分を信頼しているし、これから起こることを受け入れる準備ができているわけです。

なんとなく、イメージできますでしょうか。

3.忘却は最高の癒し

「忘却は最高の癒し」と言われたりします。

問題の解決って、それが思い通りになることではないんですよね。

冒頭の「自分を変える」というお話であれば、思い通りに自分が変わることではないんです。

問題そのものが気にならなくなること。

問題を考えている時間が減り、やがてその時間がほとんどなくなること。

表現を変えるならば、問題が問題でなくなること。

それが、問題の真の解決といえるのでしょう。

だから、「忘れること」は最高の癒しであり、また癒されるほどに、私たちはその問題を気にかけることが少なくなります。

癒されると、すべて問題が思い通りに解決できるわけではないんです。

逆に、問題を思った通りに解決できないと、癒されないわけではないんです。

問題がそのままあり続けるけれど、それを問題としていた私自身の見方が変わるわけです。

問題の渦中にいると、

「いやー、この問題が気にならなくなるなんて、そんなことありえない!」

そう思われるかもしれません。

もしそうであれば、「その問題を忘れている自分は、どんな自分だろう?」と想像してみてはいかがでしょうか。

どんな自分なら、問題を気にせず、忘れてしまう毎日を過ごしているでしょうか?

すぐにイメージが出てこなくても、全然かまいません。

問題を気にしていない、忘れてい待っている自分。

そんな自分は、どんな自分だろう?

それを想像してみることもまた、「癒し」への確かな道なのでしょう。

今日は、癒されると、問題は気にならなくなるし、忘れてしまう、というテーマでお伝えしました。

ここまでお読みくださり、ありがとうございました。

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