何に問題を感じるのか、どんな問題を抱えるのかは、その人の才能の源泉を指し示すものです。
問題を解消することも大切ですが、それが指し示す才能にフォーカスすることは、非常に大切なことです。
1.問題の原因は、解消すべきもの?
昨日の記事では、問題の原因は解消すべきもの?というテーマでお伝えしました。
原因を探すことと、問題を解決することは別のもの。 - 大嵜直人のブログ
身体の不調を感じたとき、何が原因か探したくなります。
あぁ、昨日は深酒をしてしまったから、気持ち悪くて仕方ない、とか。
大量に書きものの作業をしたから、右手が腱鞘炎になって痛い、とか。
原因があって、結果がある。
だから、原因を取り除けば、その不調を解消することができる、と思うわけですね。
もちろん、この見立ては正しいです。
度を過ぎて飲まないようにしたり、過度に手を使う作業をしないようにしたりすれば、その悪い現象を解消することができる。
それは、そうですよね。
けれども、心の問題を同じように考えると、少し様子が違うというのが、昨日の主題でした。
どの職場でも、上司と葛藤が絶えず、常に衝突してしまう、という事象があったとして。
自分の心のなかを掘り下げていくと、父親との関係性での葛藤が、原因かもしれないとなってくるわけです。
もちろん、ここで父親との関係性を癒していくと、上司との関係性にも良い影響が出るのことは、あるのでしょう。
ただ、こうした事象を見て、対症療法的に「原因を潰したら、心の問題も解決する」というのは、一面的な見方だと思うのです。
私のカウンセリングのなかで大切にしているのは、
「なぜ、それを問題として抱えることになったのだろう」
「それを問題としている人の才能や魅力って、なんだろう」
という視点です。
その才能や魅力を発揮できるようになることが、何より大切なことなんじゃ、なかろうかと。
それは、問題の原因を解消するよりも、ある意味で大切なことのように思うのです。
昨日の記事では、そんなテーマをお伝えしました。
2.のっぺらぼうが終着点?
「問題は解決しなくてもいい」というわけでは、ないんですよね。
お父さんとの葛藤があって、それが苦しいなら、癒していけばいい。
けれども、目に見える問題はなんでも解決していかないといけないと考えると、なんだか苦しくなりますよね。
それに、なんでもかんでも問題や欠点をなくせばいい、となると、その終着点は「のっぺらぼう」になってしまいます。
私たちは、誰もがそれぞれの心の形があり、ある意味で、いびつです。
そのいびつな形は個性でもありますし、才能とも呼べるのでしょう。
それを、「どれもこれも、正方形にならないといけない」と考えると、とても苦しくなります。
問題をすべて解決するって、そういうことです。
自分が欠点だと思っていることも、そうですよね。
それらは、その人に与えられた個性であり、宿命であり、そして才能なんです。
誰もかれものっぺらぼうになってしまったら、誰と会っても同じになってしまいますしね笑
3.その問題は、あなたの才能の源泉である
問題って、才能の源泉なんです。
正確に言うならば、「何を問題と感じるか」が、才能そのものといえるでしょうか。
芸術家やアーティストを考えてみると、分かりやすいですよね。
「こういう視点で世の中を見ると、こんなものが見えてくるよね」
「ここから見ると、こんな景色が見えるよ」
その視点になるのが、ここでいう問題だったりするわけです。
あるいは、ちょっと偉大過ぎるかもしれませんが、お釈迦様だって、そうですよね。
「人が生きることとは、なぜ苦しみばかりなのだろう」
という問題が、その出発点だったわけです。
お釈迦様はさすがに偉大過ぎるかもしれませんが、でも何に問題を感じるのかは、その人の才能の源泉を確かに指し示してくれるものです。
孤独の問題を感じる人は、それだけ人のつながりに価値を感じる人です。
パートナーシップに問題があるならば、誰かと親密に心を通い合わせることができる才能があるからです。
家族の間に問題を抱える人は、ホームメイカーというか、温かい居場所をつくる才能がある人なのでしょう。
それらの才能がなければ、そこに問題を感じないでしょうから。
別に一人で生きることが苦にならない人もいますし、パートナーシップにそこまで悩まない人もいますし、家族と縁を切って生きるのに抵抗もない人もいるでしょうから。
そうじゃないとするなら、それは才能なんです。
問題は、あなたの才能の源泉を確かに指し示しているんです。
私のカウンセリングのなかでは、常にその視点を大切にしたいと思っています。
今日は、あなたの問題は、あなたの才能の源泉を確かに指し示している、というテーマでお伝えしました。
ここまでお読みくださり、ありがとうございました。
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