吉備津神社を訪れた。
岡山県岡山市は北区、吉備の中山に位置するこの備中の国の一宮は、気持ちのよい神社だった。
駐車場脇に大きな銅像。
誰のものかと思えば、明治期の激動の中に生き、宰相にまでなった犬養毅公。
恥ずかしながら、この備中の国の出だという認識がなかった。
しばらく歩くと、注連縄で仕切られた入口。
不思議と注連縄を見ると、背筋が伸びる。
一歩一歩に歴史を感じる石畳。
あまり混雑しておらず、静かで気持ちのいい空気が流れていた。
白馬が祀られていたので、手を合わせる。
馬と日本酒の組み合わせを見ると・・・いや、なんでもない。
戦国時代の造営とされる、回廊。
歩くこと、生きること・・・もの思いにふけりながら通る。
本殿に至る前に、別の方向からの入り口があったので、こちらも降りてみた。
こちらも立派な石碑が。
提灯の並ぶ石階段。
それにしても神社のこの広告システムは、よくできているとつくづく思う。
拝殿の正面から。
夕暮れ時だったが、思いがけず不思議な光が写った。
そんなに日差しの強い日でもなかったのに、不思議だ。
国宝ともなっている本殿。
Wiki先生に聞いたら室町年間の造営で、入母屋造という屋根を前後二つに並べた「吉備津造」という特殊な様式だそう。
どうりで、あまり見かけない構図。
本殿の脇に、学問・芸術の神様「一童社」が。
表現者として、ここはぜひ参拝しておきたいところ。
一童社そのものは、落ち着いて静かな雰囲気だった。
社務所の前を、白猫さんがのさのさと。
人慣れしている感じだったので、住みついているのだろうか。
帰り道。
立派な常夜灯と先ほど通った回廊を脇に見ながら。
少し脇道に逸れて。
なかなか急な階段。息が切れる。
登った先は、岩山宮という末社。
吉備の国の地主神を祀っているそう。
お邪魔したことをご報告して、お参りする。
駐車場から本殿を臨む。
本殿の上に、ぽっかりと白い月が浮かんでいた。
名残惜しくなる。
岡山駅に戻って、桃太郎像と。
気持ちのいい参拝だった。
今年もまた折を見ていろんな神社にお参りに伺いたいと思う。