大嵜直人のブログ

文筆家・心理カウンセラー。死別や失恋、挫折といった喪失感から、つながりと安心感を取り戻すお手伝いをしております。

2020-11-01から1ヶ月間の記事一覧

風、冷たく。陽、暖かく。月、満ちて。

いよいよ師走も近く、風は冷たく。深呼吸をすると、胸がその冷たい空気で満たされる。痛いくらいのその冷気で、肺から身体が清められるような気がする。

新時代。 ~2020年ジャパンカップ 回顧

新時代。2020年11月29日、今日この日のジャパンカップを伝説にするのは、コントレイルであり、デアリングタクトである。そして、さらに彼らに続く優駿たちだ。そして、今日この日を語り継ぐのは、ファンである我々の役目でもある。

細部を見つめるとき、全体とつながる。

時に小雪。七十二候では、「朔風払葉、きたかぜこのはをはらう」。「朔風」と書いて、「きたかぜ」。冬らしい冷たい北風が強まり、木々の葉を払ってしまうころ。

いいじゃないか、こころが喜ぶのなら。

いいじゃないか。こころが、喜ぶのなら。という言い訳をしながら、私は今日もプロ野球チップスを買いに行くのだ。

マスクで相手の表情が分からない中、話しをするのってほんとストレスなんです、と彼女は言った。

「ほんと、マスクが当たり前になっちゃって、相手の表情が分からない中、話しをしたりするのって、ほんとストレスです」

ふと肌に触れる冷たさに、ふるさとを想うこと。

ときに、初めて訪れる街を歩くときに、その雰囲気に似たものを感じることがある。見知らぬ街に。あるはずもない、故郷を想う。

秋冷の「こころの小径」を歩く ~愛知県名古屋市「熱田神宮」参拝記

秋冷のなか、熱田神宮を参拝した。「秋晴れ」の言葉が似合うくらい、よく晴れていた。

小雪、それでも花は咲く。

七十二侯では「虹蔵不見・にじかくれてみえず」、曇り空が多くなり、日差しも弱まるため、虹を見ることが少なくなるという。そういえば、晴れていたかと思えば、いつの間にか雲が広がって、寒空になっていることが増えたように思う。季節のめぐりは、殊更に…

勝ちに不思議の勝ちなし。 ~2020年 マイルチャンピオンシップ 回顧

勝ちに、不思議の勝ちなし。強者が強者の競馬をして、勝った。グランアレグリアが、2020年マイルチャンピオンシップを制した。

いまではない、いま。

たとえば、初めて通ったはずの道に、既視感を覚えることがある。いつか、通った道。あれは、いつ、通ったのだろう。何の機会に、誰と通ったのだったのだろう。

目にはさやかに見えねども。

直接会っても、メールやメッセンジャーすら、交わしていない間であっても。私たちは、何がしかを伝えあっているのかもしれない。

尾頭橋・不朽園「不朽最中」に寄せて。

「名古屋 菓子處 不朽園」尾頭橋本店の「不朽最中」。パリッとした皮、そして透き通った甘さの餡。シンプルにして、至高。

澄んだ空気、冬近し。 ~愛知県一宮市「真清田神社」訪問記

一宮市は、真清田神社に参拝した。訪れるたびに、季節の移ろいを感じさせてくれる。なにより、この一宮の土地にどっしりと腰を据えた、落ち着いた空気が好きだ。

ひとつとして、同じ日はなく。

見上げれば、赤の点描。春に一面の淡いピンク色で楽しませてくれた桜の木も、いつしかその葉を落として。新しく芽吹いた命が燃え、咲き、葉を繁らせ、そして枯れてゆく。飽くことなく、繰り返されるこのリズムには、畏敬の念すら覚える。ただ一日として、同…

夢、娘との小話。

「おとうさんは、なにになりたかったの」「何に、かぁ。小学生のころは、プロ野球選手かな」

暴君の娘から、淑女へと。 ~2020年 エリザベス女王杯 回顧

2020年エリザベス女王杯。暴君の娘から、淑女へと。ラッキーライラックが、連覇を成し遂げた。

【ご案内】エリザベス女王杯と出逢いに寄せて、ウマフリさんに寄稿させていただきました。

秋のGⅠシーズンもいよいよ佳境に入り、今週から年末までGⅠ・8連戦。 その劈頭は、晩秋の古都を彩る女王決定戦・エリザベス女王杯。 今年は京都競馬場が改修工事となるため、阪神競馬場での開催となり、例年とは違った趣となります。 そんなエリザベス女王杯…

寒いからこそ、身体に油を差すように。

朝、玄関を開けて浴びる空気が、少しずつ張り詰めた冷たい空気になっていく。暦の上では、もうすでに冬。七十二侯では「地始凍、ちはじめてこおる」、地面に霜柱が下りるころ。肌に感じる冷気よりも、足元の変化に目を向けるのが、なんとも粋なものだ。

待ちきれない。

アーモンドアイが、ジャパンカップ参戦を決めた。すでに出走を表明している牝馬三冠・デアリングタクトと牡馬三冠・コントレイルという無敗の三冠馬2頭と、3頭の三冠馬の激突。待ちきれないこの時間が、ずっと続けばいいのに、と思っている。

じゃあ「めんどくさい」って感じるから、私も偉大なクリエイターですね、と彼女は言った。

「じゃあ『めんどくさい』って感じるから、私も偉大なクリエイターですね」

トン、トン。

隣の娘が、暗闇の中でごそごそと寝返りを打っていた。小さなころから寝つきが抜群によかった娘にしては、めずらしい。

水と追憶の熊野路をゆく3 ~和歌山県田辺市「熊野本宮大社/大斎原」参拝記

祈りと、水と、よみがえりの熊野古道・中辺路を経て、熊野本宮大社にたどり着く。境内の奥からは、和太鼓の音が聞こえていた。人の気配が感じられて、嬉しく思う。

水と追憶の熊野路をゆく2 ~和歌山県田辺市「熊野古道中辺路」参詣記

熊野本宮前発のバスは、貸し切りだった。ハイシーズンとはいえ、雨中の熊野古道・中辺路を歩こうとする人は少ないのかもしれない。発心門王子前で降りると、神気のような霧があたりを包んでいた。傘を叩く雨粒の音と、鳥の声だけが響いていた。

立冬、冬には赤がよく似合い。

早いもので、もう立冬。冬、立てる日である。朝晩の空気の冷たさが、少しずつ真冬の凛とした寒さに近づいていくようで。けれど、立冬の今日の朝は、どこか暖かかった。

A(えい)

中日ドラゴンズが昨日の試合に勝ち、今シーズンのAクラスを8年ぶりに確定させた。与田監督は就任2年目にして、球団最長となっていた負の歴史に終止符を打った。残念ながらコロナ禍によりクライマックスシリーズは行われないが、希望を灯す勝利だった。

水と追憶の熊野路をゆく ~和歌山県東牟婁郡「飛瀧神社・那智御瀧」訪問記

時に、「何かに呼ばれた」としか言いようがない旅がある。 なぜか、その地名を目にしたり、耳にしたりすることが重なったり、誰かに誘われたり、あるいはどうしてか、そこが気になって仕方がなくなったり。 私にとっては、熊野がそのような地だった。 2年半…

楓蔦黄、なんと美しき日本語かな。

朝晩の空気のぴんとした冷たさに、冬の訪いを覚える。もう朝晩の車の中は、暖房をつけないと冷え込む日が増えてきた。霜降も末候、「楓蔦黄、もみじつたきばむ」の候。

睡眠は、最高の癒し。

もしも、寝なくても平気な身体になれるとしたら。そう問われたら、寝ることが必要な身体を選ぶような気がする。寝ている間に、「あちら」の世界に行くことができなくなるのは、寂しいように思うからだ。睡眠は、最高の癒し。そんなことを思う。

断酒日記【2年】 〜たいせつなのは、「何をしないか」。

断酒して2年が経った。お酒がなくなったとしても、結構大丈夫なものだと分かった。私自身にとっては、「人生にどうしてもなくてはならないもの」ではなかった、ということなのだろう。

Threshold. ~2020年天皇賞・秋 回顧

2020年、天皇賞・秋、アーモンドアイ、史上初の芝GⅠ8勝目。当代随一のルメール騎手をして、落涙するほどのプレッシャー、それを克服しての、偉業達成。その涙は、どこまでも美しく、アーモンドアイの偉業に華を添えていた。