パートナーの「罪悪感」をどうにかしようとすると、共倒れになってしまうものです。
それよりも、相手の「罪悪感」とつながらないように、自分を癒していくことが大切なことです。
1.「癒着」とパートナーシップの関係
先日の記事では、「癒着」の心理とパートナーシップの関係について、お伝えしました。
パートナーシップの危機その6 ~「癒着」の心理とパートナーシップの関係 - 大嵜直人のブログ
パートナーシップが危うくなるとき、というテーマを続けております。
昨日のお題は、「癒着」。
「癒着」の心理とは、相手との心理的な距離が近くなりすぎて、ぴたっとくっついてしまっている状態を指します。
そのため、四六時中、相手の機嫌が気になったり、相手が何を考えているのかがずっと頭のなかをめぐったりして、常に気が休まるときがありません。
24時間、心理的に近い状態なわけですから、お風呂もトイレも一緒だと、さすがにしんどいですよね笑
これ、自分だけがしている状態は「執着」ですが、お互いにくっつきあっているのが「癒着」です。
「癒着」の特徴として、主語があいまいになる、というものがあります。
心理的に近くなりすぎているため、主語が自分なのか、パートナーなのか、あいまいな状態になってしまうわけです。
A「もう、ほんとに今日は朝から体調が悪くって」
B「大丈夫?無理せずに仕事休んだ方がいいんじゃない?」
A「ほんとそうだよね。でも、休まないんだよね」
B「今日は忙しくないし、無理せず休んだら?」
A「そうだよね。心配だから、休んだらいいのに」
B「???」
Aさんは、パートナーの体調のことを言っているのですが、主語があいまいなため、Bさんには「Aさんが体調が悪い」と聞こえて、混乱しているわけです。
こうした「癒着」ですが、お互いをくっつける接着剤の役割をするのが「罪悪感」です。
先日の記事では、こうした心理と、そこから見える価値について、お伝えしました。
2.「罪悪感」でつながるとロクなことがない
この「罪悪感」という感情。
さまざまな問題を引き起こす、最もやっかいな感情ですが、パートナーシップにおいても、それは同じです。
なんたって、「罪悪感」があると、自分を罰しないといけない、自分は幸せになってはいけない、と感じるものです。
これが、パートナーとの二人の関係においても、「幸せな関係になってはいけない」という方向にはたらくわけです。
イヤですねぇ、ほんと笑
「罪悪感」があると、どうしても重苦しくなります。
罪という重荷を背負ってしまうわけですから、それは当たり前です。
パートナーが、こうした重さを出しているとき、どうしても、それに引きずられますし、なんとかしてあげたくなります。
でも、これが「罪悪感」の罠なんですよね。
相手の「罪悪感」に、自分のなかの「罪悪感」が反応しているからです。
よくカウンセリングでも、「相手の罪悪感とつながらなくても、大丈夫ですよ」とお伝えしたりします。
それは、罪悪感でつながると、お互いが共倒れになってしまうからです。
3.まず自分の「罪悪感」を癒すことが先決
でも、相手が苦しんでいたりするときに、自分も一緒に苦しまないと、なんだか悪い気がするかもしれません。
そことつながらないと、反応しないと、なんだか自分が冷たい人間になってしまったような気がしますよね。
でも、それが「罪悪感」の罠なんです。
究極的には、相手の問題は、相手にしか解決できません。
相手がどれだけ「罪悪感」にまみれていたとしても、そこから抜け出すのは、その相手自身です。
そこの線引きをはっきりしないと、冒頭で述べた「癒着」の泥沼にはまってしまうことがあります。
だから、まず自分、なんですよね。
自分を整えること。
相手が「罪悪感」が強そうに見えるならば、それは自分自身の「罪悪感」の投影でもあります。
相手の「罪悪感」に反応するのは、自分のなかに「罪悪感」がたんまりあるから、とも言えるでしょうか。
そうであれば、自分の「罪悪感」を癒していけば、相手の「罪悪感」が気にならなくなっていきます。
たとえ、相手がどうあったとしても。
「あらあら、今日は罪悪感と仲良しなのね」
「それでも、だいじょうぶなのよー」
「そんなあなたも、愛おしいから」
そんな風に、軽さをもって、相手と接することができるようになります。
「罪悪感」には、この軽さが効くんですよね。
だから、相手の態度や言動をどうにかしようとするよりも、それに反応してしまう自分の「罪悪感」を癒していった方がいいのです。
まず、自分を整える。
パートナーシップの、大原則ですね。
今日は、「罪悪感」でつながる危うさ、というテーマでお伝えしました。
ここまでお読みくださり、ありがとうございました。
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