大嵜直人のブログ

文筆家・心理カウンセラー。死別や失恋、挫折といった喪失感から、つながりと安心感を取り戻すお手伝いをしております。

「怒り」は、感情を抑圧しているときに出てくるサイン。

感情を抑圧するとき、人は「怒り」を使います。

それが続くと、無気力、無感動な状態になってしまうこともあります。

「怒り」は、感情を抑圧しているサインといえます。

1.「問題」は抑圧してきた感情を解放する

昨日の記事では、「問題」は抑圧してきた感情を解放すために起きるもの、というテーマでお伝えしました。

「問題」は、抑圧してきた感情を解放するために起きるもの。 - 大嵜直人のブログ

私たちは生きるなかで、さまざまな「問題」に出会います。

信頼していたパートナーに裏切られた。

事件や事故に巻き込まれた。

職場に馴染めず、仕事を続けられなくなった。

誰にとっても「問題」はイヤなものでしょうし、できればご遠慮願いたいものです。

はい、私も進んで出会いたくはありません笑

けれども、出会ってしまった「問題」をどう考えるかで、そこから得られるものは変わります。

「問題」のとらえ方の一つに、「問題」とは、本来の自分から大きく離れてしまったことで、それを教えてくれるもの、というものがあります。

本来の自分を抑え込んで、無理をしてしまっている状態。

その状態は、本来感じているみずみずしい感情を、抑え込んでしまっているものです。

感情を抑え込んでいる状態とは、川の流れをせき止めていたり、あるいは、お腹が痛いのにトイレに行けない状態のようなものです。

はい、私も先日、電車に乗っているときにそのスリリングな状態になりまして、久しぶりに冷や汗をかきました…

途中下車した駅のトイレが、奇跡的に空いていたので、大惨事を免れましたが笑

それはともかく、感情を抑圧するのは、実にしんどいものです。

しかし、「問題」が起こると、そうした抑圧してきた感情を、感じざるを得なくなるものです。

言い換えれば、「問題」とは、抑圧してきた感情を解放するために起きるもの、という見方をすることもできるのでしょう。

「この問題を通じて、私はどんな感情を感じたいのだろう」

そんな角度から、自分自身に問いかけてみることは、「問題」のとらえ方を変えるためには有効なことといえます。

昨日の記事では、そんなテーマでお伝えしました。

2.なぜ、感情を抑圧してしまうのか?

今日は、この感情の抑圧について、もう少し考えてみます。

なぜ、感情を抑圧してしまうのか。

単純に考えると、それは「その感情を感じたくないから」なのでしょう。

誰だって、ネガティブな感情を感じたくはないと思いますよね。

悲しみや寂しさ、無力感やせつなさ、怖さ、孤独感…

でも、不思議なことに、私たちはそうした感情を感じることが、嫌いではないようです。

だって、ドラマや映画を観ること、あるいは、ジェットコースターやお化け屋敷に並ぶのは、そういった感情を感じるためにすることだったりしますよね。

私たちが感情を抑圧してしまうのは、単純にネガティブな感情を感じたくない、というだけではないようです。

このことを考えるときカギになるのが、上にも書いた、「本来の自分から離れてしまった」ことです。

言い換えると、「本来の自分ではいられない」と感じるとき、人は感情を抑圧してしまいます。

たとえば、本来は、ものすごく周りの人の感情や心の機微に、敏感な人がいたとします。

その人は、たとえば周りの人が体調を悪そうにしていたり、機嫌が悪かったりすると、「大丈夫かな」と心配したり、その人を笑顔にしようとしたくなります。

しかし、何らかのできごとで、そうしたことを否定されたとしたら。

たとえば、自分の大切な相手から、「もう、うっとうしいから、構わないでくれ」みたいなことを言われたりすると、すごく傷つくわけです。

そして、「自分がしていることは、相手にとって迷惑なことなんだ」と思い込み、自分が本来感じていることを、

「これは、要らないもの」

と、無理矢理に感じないようにしてしまったりします。

これが、感情の抑圧のはじまりになるわけです。

これはあくまでもたとえですが、あなたにも、似たような経験や思い当たるフシはありますでしょうか。

3.感情の抑圧と「怒り」

感情を抑圧するために「怒り」を使う

さて、この感情の抑圧ですが、分かりやすいサインがあります。

それが、「怒り」です。

感情は、勝手に出てくるものであり、止めようがないものです。

それを抑え込もうとするわけですから、それはそれはすごいエネルギーが必要なわけです。

はい、先日の電車のなかの私も、次の駅に停まるまで、ほかのことは何も考えられないくらい、集中していましたから笑

それはともかくとして、感情を抑圧するときのエネルギーを、私たちは「怒り」に変えます。

怒ることで、本来感じている感情を、抑えつけるわけです。

これを逆の面から見れば、「怒りは感情の蓋」となります。

怒りは、何らかの感情を隠すために出てくるもの、と見ることができるわけです。

何らかの感情が出てきたときに、それを感じないように、隠すために、私たちは「怒り」を使う。

だから、いわゆる「自立」的な人は、感情を感じないようにしているもので、それゆえに怒りっぽくなる傾向があります。

なんでも自分でやろうとする人ほど、プリプリ怒っているイメージです。

なんとなく、想像できますよね。

慣れると無気力、無感動になってしまう

この「怒り」によって感情を抑圧している状態ですが、非常に疲れるし、どこにも行けない閉塞感を感じることもあります。

そりゃあ、そうですよね。

自分のなかからわき出る感情の波を、自分のエネルギーで抑えつけているわけですから。

そこから、新たに何かしようとしても、動けないくらいに疲れてしまうのも、無理のないことです。

こう、胸の前で手のひらをあわせて、ぎゅーっと押し合う筋トレがありますが、それをずっとしているような感じかもしれません。

そして、この感情の抑圧を続けていると、次第に感情が麻痺してしまうこともあります。

何も感じない、無気力、無感動な状態になってしまいます。

逆に言えば、無気力、無感動になっていると感じる人は、溢れ出るエネルギーを、自分自身が抑え込んでいる可能性があるわけです。

「無気力だ」と感じる人ほど、実は内面に燃えたぎるマグマのような情熱を持っていたりするものです。

だから、あなたが「最近、何の感動もないし、気力もわいてこない」と感じるのであれば、もしかしたらそれは自分で自分を抑圧してしまっているのかもしれません。

そんなときは、感じたくない感情と向き合うことで、その流れを取り戻すことができます。

もちろん、一人でする必要もありませんから、信頼できる人に話したり、カウンセリングなんかを利用してみてくださいね。

今日は、「怒り」は感情を抑圧しているときに出てくるサイン、というテーマでお伝えしました。

ここまでお読みくださり、ありがとうございました。

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