今日も引き続き、「自立」をテーマにしてみます。
「自立」的な人は、怒りっぽい傾向があります。
その「怒り」のルーツについてと、その「怒り」との付き合い方についても考えてみたいと思います。
1.「自立」と「怒り」の関係
「自立」的な人は、怒っていることが多いものです。
実際、私も自立自立していた時代は、何かにつけてイライラしていました。
あれもやらないかん。あぁ、これも!もう!イライラ、カリカリ…などといった具合に笑
「自立」的な人にとって、「怒り」とはとても関係の深いものです。
もちろん、その「怒り」のエネルギーによって、たくさんのことをこなしていると見ることもできます。
しかし、「自立」の定義をあらためて考えると、それはとても自然なことといえます。
「自立」とは、なんでもかんでも自分ひとりでやろうとする状態、を指します。
昨日の記事でも少し触れましたが、なぜそうするのかといえば、「いかに傷つかないか」を考えた末に取る行動だといえます。
「依存」時代に深く傷ついたがゆえに、「もうあんな思いはするもんか」とばかりに、人と距離を置き、一人で生きていることで身を守っている状態。
それが、「自立」の本質です。
誰もが、好き好んで一人になっていくわけでもありません。
ただ、そうせざるを得ないくらい、「依存」時代に深く傷ついた経験があった。
そう見ることができると、「自立」と「怒り」には分ちがたい関係と見ることができます。
動物なんかを見ていると、とても分かりやすいですよね。
怪我をした手負いの動物に、何かちょっかいをだそうものなら、全力で怒ってきます。
「怒り」の裏側には、深い傷や痛みが横たわっているわけです。
「自立」が深く傷ついた経験をルーツにしているのならば、「怒り」もまた近くにあるものなのでしょう。
2.「怒り」を使って感情を抑圧している
そのように考えてみると、「自立」的な人が怒りっぽいのも、当然なように思います。
「自立」的な人が強い怒りを覚えるのは、自分のなかのルールや正しさが崩れそうになったときです。
そうしたルールは、「もう傷つかないために」つくったルールなわけですから、それを破ろうとする輩には、強い怒りと恐怖を覚えるわけです。
そのルールを破られたりしたら、またあの痛い「依存」に叩き落されてしまう。
だから、そのルールや正しさを守ろうとしますし、それゆえに競争もすれば、攻撃性も強くなるわけです。
はい、私もよく「私は絶対に間違ったこと言ってないです」と、プリプリ怒っていました笑
さて、こうした「怒り」ですが、痛みを守るのと同時に、もう一つの役割があります。
それは、「怒り」を使うことで、感情を抑圧する作用がある、ということです。
イライラ、カリカリ、プリプリしていたら、メソメソできません。
「なんだそりゃ?!」と思われたかもしれません。
けれども、「自立」的な人が、最も忌み嫌うのが、まさに「メソメソ」のような、依存的な感情なわけです。
つらい、悲しい、寂しい、くやしい…
「依存」時代に苦しめられた、さまざまなネガティブな感情を感じることを、「怒り」を使って封じようとするわけです。
しかし、感情は自分が感じないかぎり、なくなることはありません。
そうした抑圧を繰り返していくと、今度はその反対のポジティブな感情まで、感じるkとが難しくなってきます。
感情が麻痺していき、それを繰り返すうちに、「怒り」すらも感じず、無気力、無感動な状態になってしまうことすらあります。
3.「怒り」とうまく付き合うために
感情を抑圧した、無気力、無感動な状態の行きつく先は、燃え尽き症候群と呼ばれるような状態です。
世界が灰色に見えて、何をしても無駄だというような諦めすら漂うような、そんな状態。
それはそれで、また新しい生と最も近い場所であるともいえるのが、心の世界の面白いところではあります。
ただ、そうなる前に「怒り」とうまく付き合っていきたいものです。
そのためには、まず「怒り」を安全な場所で吐き出すことが大切になります。
「怒り」を吐き出すには、いろんな方法があります。
身体を動かす、思い切り叫ぶ、気持ちを書きなぐる、あるいは人と話す…
いろんな方法がありますが、自分にあった方法を知ることが大切でしょうか。
私がよくやっていたのは、ノートに恨みつらみを書きなぐることと、思い切りダッシュすることでしょうか。
真冬の夜中の路地で、ダッシュを繰り返す、怪しい人になってました笑
結構、スッキリするんですよね。
どんな「怒り」でも、感じると抜けていきます。
感じるまでが億劫だし、怖いんですけれどね。
そうして「怒り」を吐き出していくと、何がいいかというと、その奥底にある悲しみや寂しさといったネガティブな感情に触れやすくなります。
自分は、こんなにも悲しかった。
こんなにも、寂しかった。
そこに触れることができると、少しずつその痛みは癒えていきます。
そうすると、無理に怒ったりして、その傷を守ろうとしなくても済むようになります。
結果として、「自立」を少しずつゆるめていくことができます。
「怒り」は「自立」的な人にとって大切なものであると同時に、それは「自立」の次へと進むサインでもあるわけです。
今日は、「自立」と「怒り」の関係について、お伝えしました。
ここまでお読みくださり、ありがとうございました。
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