大嵜直人のブログ

文筆家・心理カウンセラー。死別や失恋、挫折といった喪失感から、つながりと安心感を取り戻すお手伝いをしております。

燃え尽きたように感じるのは、あなたにそれだけの情熱があるから。

「燃え尽きた」ように感じるとき、無気力な自分を責めてしまうものです。

しかし、真実はその逆で、「燃え尽きた」ように感じるのは、それだけ誰かを大切にしたい想い、情熱があったからです。

1.「怒り」は感情を抑圧しているサイン

昨日の記事では、「怒り」は感情を抑圧しているときのサイン、というテーマでお伝えしました。

「怒り」は、感情を抑圧しているときに出てくるサイン。 - 大嵜直人のブログ

感情というものは、よく天気にたとえられます。

晴れの日もあれば、風の日もあり、雨の日もある。

今日は晴れてはいますが、季節が逆巻きになったかのように、寒い日になりました。

天気はただ移ろいゆくもので、それをコントロールすることはできません。

雨が降れば傘を差し、寒くなれば厚着する。

天気は受け入れるしかなく、それを無理矢理に変えることはできないわけです。

感情もまた、同じようなものです。

私たちの内側から湧き出ては、流れていくものです。

「今日は悲しみを感じないようにしよう」

とかしようとしたところで、できないですよね笑

浮かんできた感情は、ただ流れていくしかないものです。

しかし、私たちがこの感情を、抑圧しようとしてしまうときがあります。

それは、なんらかの過去の傷ついた経験に依ることが多いもので、「本来の自分ではいられない」と感じるとき、私たちは感情を抑圧してしまいます。

この感情を抑圧するときに、「怒り」を使うわけです。

悲しみを抑圧するときに、怒ったり。

恥ずかしさを抑え込むために、怒るという表現したりするわけです。

「怒りは二次感情」と言われるように、「怒り」の奥底には、私たちが抑圧した感情があります。

それを反対から見ると、「怒り」は感情を抑圧しているときのサイン、と見ることができるというのが、昨日のテーマでした。

2.抑圧の行き着く先は「燃え尽き」

さて、こうした感情の抑圧ですが、その行き着く先は「燃え尽き」です。

文字通り、燃え尽きたようになってしまい、無気力、無感動になってしまう状態です。

有名なのは、漫画「あしたのジョー」のラストシーンでしょうか。

古すぎて、誰もわからないですよね笑

キャンプやたき火なんかで、炭を燃やしたあとに残った、白い灰のようなイメージです。

自分が感じている感情を、「怒り」という力を使って、抑圧する。

これ、想像以上にエネルギーを使っているんですよね。

だから、感情の抑圧をしている人は、一見穏やかそうに見えて、その内面ではものすごい葛藤、衝突が起こっていたりします。

自分の内面で起こっている衝突を、自分で無理矢理に消火している状態。

昨日の記事でも、「自分の両手をあわせて、思い切り押し合う筋トレ」をずっとしているイメージにたとえましたが、常にエネルギーを消費している状態です。

そんな状態が続くと、もう疲れ果ててしまうわけです。

もう何も感じない、無気力、無感動な状態。

その行き着く先が、「燃え尽き症候群」です。

まるで燃え尽きた灰のように、何も感じず、何も感動しない、無機質な世界。

彩りのない灰色の毎日が、ずっと続いていくような感覚。

これを続けていて、どうなるんだろう。

そんな想いが沸いてくることすらあります。

3.燃え尽きたように感じるのは、それだけ情熱があるから

無気力、無感動。

燃え尽きたような、乾き切ったような感じ。

世界が灰色に見える。

あるいは、虚無感。

そんなことを感じるとき、もしかしたらあなたは、

「わたしには、何も残っていない。もう、湧き上がるものは、何もない」

そのように感じるかもしれません。

けれども、それはまったく逆なんですよね。

「燃え尽きた」ように感じるのは、自分の内面の葛藤と衝突に、膨大なエネルギーを使ってきたからこそ、なのかもしれません。

これまで見てきた通りですよね。

もしそうなら、「自分は無気力な人間だ」「何もやる気が出ない、ダメな人間だ」と、自分を責めるのは、まったくお門違いなことかもしれません。

無気力なんかじゃ、ないんです。

燃え尽きたように感じるのは、あなたがそれだけ深く葛藤してきたからです。

その葛藤は、先に書いたように、感情を抑圧するため=本来の自分を隠そうとするためです。

では、なぜ本来の自分を隠そうとしたのでしょうか。

いろんな見方ができると思いますが、大きくくくってしまえば、ひとえにそれは、大切な人のために、という見方ができるのではないでしょうか。

そう考えると、「燃え尽きた」ように感じるのは、単に自分が無気力だから、というのは、見立て違いのように思うのです。

「燃え尽きた」ように感じるのは、それだけあなたに、誰かを大切にしたい想い、情熱があったからではないでしょうか。

見方を変えれば、「燃え尽きる」こととは、そうなるほどに、高火力のエネルギーを持っていることの証明でもあります。

決して、それを「わたしは無気力な人だ」と、自分を責めることのないようにしてほしいな、と思うのです。

今日は、燃え尽きたように感じるのは、それだけの情熱があるから、というテーマでお伝えしました。

ここまでお読みくださり、ありがとうございました。

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