自己受容の原則は、いま、ここにいる自分を受け入れることです。
しかし私たちは、自分を受け入れることに、何らかの条件をつけてしまいがちです。
自分の設定したその条件を知り、それをゆるめていくことが自己受容には大切なようです。
1.自分を受け入れる大前提
昨日の記事では、自己受容のベースには自分軸が要る、というテーマでお伝えしました。
自分を受け入れる。
自分を許す。
自分を愛する。
いずれも自己受容の一部であり、どこでも大切なこととして言われますが、その前提として「自分軸」が必要になります。
その逆に、自分に軸が確立していない状態で、自分を受け入れようとしても、なかなか難しいものです。
自分に軸がない、他人軸の状態。
それは、何らかの評価や感じることを、他人に任せたり、委ねたりしている状態といえます。
あの人が「あなたは素晴らしい」と言っているから、自分を受け入れることができる、といったように。
いろんなバリエーションがあります。
名の通った大学を出ているから、自分には価値があると思えたり。
複数の人からアプローチされるから、自分は魅力的だと思ったり。
SNSで反応が大きいから、自分の文章をとても価値があると思ったり。
はい、多かれ少なかれ、誰でもありますよね笑
しかし、こうした他人軸の状態は、裏を返すと、他人からの評価がもらえなければ、自分を激しく否定したり、攻撃したりすることになります。
もっといい大学を出ている人に出会ったら、卑屈に感じたり。
アプローチされなかったり、SNSで反応が薄かったら、自分には何の価値もないと思ってしまったり。
自分をどう扱うかを、他人に委ねてしまっている以上、それは避けられません。
だから、自分を受け入れようとしたときに、自分軸はその大前提になるというのが、昨日の記事のテーマでした。
2.「愛される人」のイメージとは?
今日は、そんな自分軸について、もう少し具体的なイメージをお伝えしてみたいとおもいます。
一つ、簡単な問いかけをしてみましょうか。
あなたの中で、「愛される人」というのは、どんなイメージがあるでしょうか。
愛想がいい人、容姿端麗な人…いろんなイメージがあるかと思います。
ぜひ箇条書きでいいので、それを書き出してみていただければと思います。
…いかがでしょうか。
ちなみに私も書いてみましたが、こんなイメージが出てきました。
- いつも笑顔でいる人
- 他人に対して、やさしい人
- 誰かの役に立つ力を持っている人
- 一緒にいて、楽しい雰囲気になれる人
- 感情を豊かに感じられる人
あなたのイメージは、どんな人が出てきたでしょうか。
これ、誰かと一緒にやってみると、いろんなイメージが出てきて、面白いものです。
さて、本題はここからです。
このリストというのが、自分が持っている「愛される人」の観念なわけです。
それは、自分が生きてきた中で、「こうしたら愛された」という経験からくるものもあれば、「周りから愛されている人はこうだった」というものも、あるのでしょう。
いずれも、私たちがこれまで生きてきたなかで、つくり上げた観念といえます。
もちろん、それは正しいのですが、時にこの観念が悪さをしてしまうことがあります。
すなわち、「そのリストに当てはまらないと、愛されない」という怖れの意識に変わってしまうことがあるということです。
先ほどの私のリストでいえば、
「笑顔ではない私は、愛されない」
「やさしくない私は、愛されない」
「誰かの役に立てなければ、愛されない」
…といった具合になるわけです。
これ、言ってみれば、「愛されない」=「受け入れられない」自分のリストになるわけですよね。
これが多くなるほどに、生きづらくなるのは、分かりますよね。
(自分が)受け入れられない自分が増えるほどに、自己否定をする場面が増えてしまうわけですから。
もちろん、だからといって、「愛される人」リストが間違っているというわけでは、ありません。
その境界線をゆるめていくことが、必要になるようです。
3.何も足さず、何も引かないこと
この「愛される人」リストは正しいけれど、そのリストに入らない自分であっても、受け入れてもいい。
そのようにとらえることが、自分軸のためにはとても大切なことです。
「受け入れること」「許されること」「愛されること」に条件をつけない、とも言い換えられるでしょうか。
自分を受け入れることで、とても大切な原則は、いま、ここにいる自分自身を受け入れることですから。
何も足さず、何も引かない、いまの自分。
その自分を受け入れ、愛することが、最も大切なことです。
「こうなれたら、自分を認める」
「これができたら、自分を受け入れられる」
といった、条件をつけずに、いまそのままの自分を受け入れること。
その条件の一部が、先ほど見た「愛される人」のリストが教えてくれるわけです。
でも、その条件は、勝手に自分が設定しているだけであって、別にその条件を満たしていなくても、自分を受け入れて、許して、愛していいんですよね。
だって、それを決めるのが、自分軸であるわけですから。
もちろん、だからといって、いまの自分から何もしなくてもいいわけでも、ありません。
自分の現在地を知って、それを受け入れた上で、どこへ行こうか、何で行こうかと決めるのは、自分自身です。
そのためには、努力を積み重ねることが必要になることもあるでしょうし、やりたくないことをする場面も出てくるかもしれません。
ただ、繰り返しにはなりますが、どこへ行ってもいいですし、どんな方法で行ってもいいんです。
それは、自由です。
あなたが決めたその選択を、わたしは応援したいと思っています。
今日は、自分を受け入れるための条件、というテーマでお伝えしました。
ここまでお読みくださり、ありがとうございました。
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