自己受容と癒しは、車の両輪のようなものです。
自分を受け入れよう、自分を愛そうとしても難しいときは、自分を癒すことに目を向けてみることをおすすめします。
1.自己受容と愛された記憶
昨日の記事では、自己受容と愛された記憶、というテーマでお伝えしました。
「根拠のない自信」は、愛された記憶から生まれる。 - 大嵜直人のブログ
自分を受け入れる、肯定する、愛する。
そのもっとも基本的で、かつ大切なのが、「いま、ここ」にいる自分自身を受け入れることです。
「ありのままの自分を受け入れる」、といった表現をされたりもしますよね。
これは、何かができるからとか、何かが秀でているからとか、誰かの役に立っているからといったように、条件を付ける自己受容とは、全く異なります。
条件付きの自己受容は、その条件が満たされなかったときに、しんどくなります。
それは、そうですよね。
「X=0以上のとき、自分を受け入れる」という条件を付けているわけですから、Xがマイナスになったときは、自分を受け入れないわけです。
はい、とても苦手だった数学のテストに追われる夢を見ましたので、そんな表現をしてみました笑
「いま、ここ」にいる自分を受け入れるとは、条件をつけずに、そのときのXの値がなんであれ、その自分を愛することです。
それがマイナスであれ、虚数であれ(しつこい笑)
言ってみれば、それは「わたしだから、大丈夫」といったような、「根拠のない自信」といえます。
そして、そのような「根拠のない自信」は、愛された記憶から生まれる、というのが昨日のテーマでした。
2.愛についての勘違い
人は、愛されないと生きていけません。
人が人として成長するためには、愛されることが不可欠です。
冷たいミルクとパンだけで、大人になれるわけではないのです。
時に、その愛を与えてくれたのは、母親だったのかもしれません。
それは祖父だったのかもしれませんし、近所の方かもしれませんし、部活のサッカーの先生だったのかもしれません。
あるいは、飼っていたペットだったり、目に見えない存在だったりしたのかもしれません。
生まれ落ちたときには、泣くことしかできなかった私たちは、愛されることで大人になります。
しかし、そうして与えられた愛が、自分自身が与えてほしかった形ではないことも、あるのでしょう。
自分が与えてほしいと思った相手からは、与えてもらえないことも、あるのかもしれません。
そうした経験があると、私たちはこう感じてしまいます。
「わたしは、愛されていない」
そして、世界にこう宣言するのです。
「わたしが愛されていないから、わたしも誰も愛さない」
単に拗ねているだけに見えるかもしれませんが、本人にとっては大問題なわけです。
この状態で、「いま自分を受け入れよう」とか、「自分を愛そう」とかしようとしても、どだい無理がありますよね。
だって、それよりも愛されていない痛みの方が、大きいわけですから。
「自分を受け入れる」「自分を愛する」「自分を肯定する」
…こうしたフレーズに抵抗が出るとき、私たちは自分自身への愛について何らかの勘違いをしている可能性があります。
3.自己受容と癒しは、車の両輪のように
だから、自分を癒していく必要があるんですよね。
自分を癒すことと、自分を受容することは、車の両輪のようなもので、どちらかを欠いてもうまくいかないものです。
片方の車輪だけをフル回転させても、車は進まないのと、同じなのでしょう。
ここでの「癒し」とは、「ものごとの見方がポジティブに変わること」を指します。
ごく簡単に言ってしまえば、「どうせ私は愛されていない」という視点から、「私は愛されている」という見方へ変わることです。
もちろん、すぐにそこに至ることのできることもあれば、ゆっくりと時間をかけて癒される場合もあるのでしょう。
起こったできごとは変わりませんが、そのできごとの解釈や、その経験から何を得るかは、変えていくことができます。
事実は変えられないが、真実は変えられる、と表現されたりもしますよね。
真実を、自分にとってよりよいものに変えていくこと。
それが、癒しです。
そして、自分が癒されるほどに、自分が愛されていたことを強く実感できるようになり、自己受容につながっていきます。
そこでの自己受容は、何かの条件付きではなく、大木のように揺るぎないものです。
自己受容と癒しは、同じ車の両輪のようなものといえます。
もしも、「自分を受け入れられない」、「自分を愛せない」、と感じるならば。
無理矢理にそうしようとするよりも、自分を癒すことに目を向けてみては、いかがでしょうか。
もしかしたら、何か勘違いをしているのかもしれません。
そして「癒し」とは、ものごとの見方を変えることを指しますから、なかなか一人ですることは難しいものです。
無理に一人でしようとせずに、誰かを頼ってみることも、大切なことです。
今日は、自己受容と癒しは、車の両輪のようなもの、というテーマでお伝えしました。
ここまでお読みくださり、ありがとうございました。
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