大嵜直人のブログ

文筆家・心理カウンセラー。死別や失恋、挫折といった喪失感から、つながりと安心感を取り戻すお手伝いをしております。

報酬や対価としての愛ではなく、自分という存在そのものに対しての愛を。

他人から報酬や対価として愛されると、私たちは嫌悪感を覚えるものです。

人からされてイヤなことは、自分にもしないことが大切なようです。

1.月の満ち欠けを愛でるように、自分を愛する

昨日の記事では、どんな自分も愛する、というテーマでお伝えしました。

月の満ち欠けを愛でるように、変わりゆく自分を愛すること。 - 大嵜直人のブログ

何をするにしても、「自分を愛する」ことが実に大切なことであるのは、このブログでもずっと書いてきていることです。

しかし、ひとくちに「自分を愛する」といっても、なかなかに難しいことがあります。

その難しさの一つに、選り好みをしたくなる、という点があります。

私たちは、誰しもがいろんな面を持っています。

困っている人を放っておけない私。

嫉妬深い私。

どんなことでも、全力で取り組む私。

些細なことで落ち込んでしまう私。

そうした、いろんな私がいるなかで、「これはOKな(=愛される)私」、「これはダメ(=愛せない)私」と、自分自身で区分けをしたくなるものです。

そうすると、「OKな私」でいられるときはいいのですが、いつもそういう私でいられるわけではありません。

日々感情は移ろいますし、体調や体のリズムも変わるものです。

「ダメな私」が出てきてしまうと、自分を愛するどころか、自己否定の沼にずぶずぶとはまってしまったりします。

「自分を愛する」とは、そうではないんですよね。

月は、日々満ちては欠けていきます。

けれども、欠けようとも、満ちようとも、それが月であることには変わりはなく、その日の月を愛でることができます。

「自分を愛する」とは、満ちては欠ける月を愛でるように、どんな自分でも受け入れ、愛することがその本質になります。

2.「報酬」や「対価」としての愛は、しんどくなる

先ほどの「OKな私」だけを愛するというのは、その愛し方は「報酬」であり、「対価」としての愛し方といえます。

「自分を愛する」というとき、私たちは自分の長所、あるいは成果といったもので愛そうとします。

「できる」ことや、「やってきた」ことに対して、愛を向けようとするわけです。

もちろん、自分ががんばってきたことや、何かができることに対して、自分を褒めたり、称賛したりすることは、必要なことです。

けれども、それ「だけ」になってしまうと、苦しくなります。

なぜなら、そうした愛し方というのは、どこか「がんばったこと」への「報酬」、あるいは「対価」のような愛し方といえるからです。

それは言い換えると、

「あなたはこれができるから」

「これだけあなたはやってきたから」

というような、条件を付けられているようなものです。

もしも大切な人から、そうした条件付きの愛し方をされたら、ちょっと冷めると思いません?

「徒競走で1位を取ったから、愛してるわよ」

「あなたは年収〇〇万円だから、愛してるんだよ」

…なんか、モヤっとしますよね笑

もしかしたら私たちは、そうした愛し方を、自分自身にしてしてしまっているときがあるのかもしれません。

そうすると、なんだかしんどいですよね。

愛されるためには、ずっとがんばらないといけないし、実績や結果を残し続けないといけないわけですから。

3.「存在」そのものに対しての愛を

「報酬」や「対価」としてではない、愛し方。

それは、「存在そのもの」に対して愛を向ける、ということなのでしょう。

とても大切な人を想うとき、それだけで心が満たされることがあります。

もちろん、人間ですから、不満や葛藤や、いろんな感情に振り回されたりもするのでしょうけれども笑

けれども、ただただ、静かに、

「あなたと出会えて、ほんとうによかった」

「あなたが存在してくれるこの世界で、よかった」

そんな風に感じる瞬間があります。

そんな愛を、自分自身に差し向けること。

それが、「自分を愛する」ということの本質のように思うのです。

とかく、私たちの思考は忙しく、何か形を求めたり、何か結果が必要に感じるかもしれません。

けれども、きっと、人は生まれてきただけで、もうじゅうぶんで。

何ができても、何ができなくても。

どんな姿かたちであろうとも。

ただただ、

「生まれてきてくれて、ありがとう」

と伝えるだけでいいと思うのです。

ちょっと、恥ずかしく感じるかもしれませんけれども。

自分自身に対して、伝えてみてください。

「生まれてきてくれて、ありがとう」

「あなたに出会えて、ほんとうによかった」

それだけで、いいんだと思うのです。

今日は、自分という存在そのものに対しての愛を、というテーマでお伝えしました。

ここまでお読みくださり、ありがとうございました。

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