痛みを感じることは、問題と同じように、私たちの才能を正確に指し示してくれます。
あなたが、いままでで一番苦労したこと、傷ついたと感じたことは、どんなことでしょうか?
1.起こっていることは、正しいこと
昨日の記事では、起こっていることは正しいこと、というテーマでお伝えしました。
いま起こっていることは正しいこと、そしてあなたに必要なこと。 - 大嵜直人のブログ
「起こっていることは、すべて正しいこと」
心理学のなかで、そんな金言があります。
人生の季節を重ねるごとに、実に味わい深く、また含蓄に満ちた言葉のように感じます。
なにか悟りを開いたかのように聞こえますが、全然そうじゃないです笑
ただ、自分の周りで起きることは、自分に何かを教えてくれる、気づかせてくれるという視点は、私たちの生を豊かにしてくれるようです。
そんな歌詞の懐メロもありましたよね。ユーミンでしたっけ…?
私たちは、自分にとって不都合なことや、傷つくことが起こると、「こんなことが起きなければいいのに!」と感じるものです。
けれど、起こっていること自体はニュートラルです。
そこに意味づけをしているのは、私たち自身です。
もちろん、私たちはそうしたフィルターを通してしか、世界を見ることはできません。
そして、どうしてもそのできごとそのものや、その相手に目を向けてしまうものです。
しかし、自分にとってほんとうに大切なのは、「自分がどう感じたか」「なぜそう感じるのか」という視点です。
もしそこで傷ついたと感じるのであれば、そこには癒しが必要なのかもしれません。
2.傷と問題と、才能と
傷ついたと感じるようなできごとが起こったとき。
なぜ、そのできごとで傷つくのかを、一度立ち止まって考えてみることは、非常に意味のあることです。
同じできごとがあったとして、傷つく人もいれば、そこに何も感じない人もいる。
その違いが、あなたという人の個性を形づくっています。
もちろん、傷つくことが、悪いことであり、直さなくてはいけないことというわけでは、ありません。
むしろ今日の記事でお伝えしたいのは、その真逆です。
傷つくこと、痛みを感じることにこそ、その人の才能の萌芽が見えるものですし、その人生のキーストーンといえます。
「気持ちのいい天気だね」
ある人はそう言って、空に向かって大きく伸びをしています。
秋晴れの午後の公園は、心地よい風が吹いています。
しかし、それを横で聞いていた別の人は、その人が立っている下で、小さな花が踏まれているのを見て、痛みを感じるかもしれません。
そして、それを口に出せないことに、また痛みを覚えるかもしれません。
どちらの人が正しい、ということではありません。
ただ、何を見るか、何に痛みを感じるかは、その人のパーソナリティなり、才能なりを、正確に描き出します。
これは、「問題」に対する考え方もまた、同じです。
何に対して、最も時間をかけて悩んできたかは、その人の才能を指し示してくれます。
「また、この問題か…」
そう感じるような問題こそ、その人のかけがえのない才能と鏡合わせになっているものです。
3.いままでで、一番苦労したことは何ですか?
私がカウンセリングでお話を伺うことの、根本的なベースにあるのは、こうした視点です。
悩みや問題のなかに、その方そのものの光であったり、才能であったり、そうしたものを見続けることです。
だって、陸上選手が、100m走のタイムが縮まらないことに悩むのは、当たり前じゃないですか。
たとえばそれが、膨大な量の愛を持った人だったら、年がら年中、人を愛することで悩んだり、傷ついたり、落ち込んだりするのでしょう。
孤独を癒すことのできる才能がある人は、誰かが寂しそうにしていたりすることで、深く傷ついたりするのでしょう。
何に傷つくのか、何に悩んできたのか、どんな問題を抱えてきたのかは、その人の才能を寸分の違いもなく描き出します。
それは、火の無いところになんとやら、というようなものかもしれません。
さて、あなたの今までの道のりのなかで。
一番苦労したことは、何だったでしょうか?
最も時間をかけて、悩んできたこと。
あなたが人生を懸けてまで、向き合ってきたこと。
たとえ目を逸らしたり、ほかごとに目を向けたとしても、必ず追いかけてくる、その問題。
それは、どんなことでしょうか。
その問題を、今日は痛みの側から見るのではなく、「私であるがゆえに」という視点で見てみてください。
それは、あなたのどんな才能を指し示しているのでしょうか?
今日はぜひ、少しだけでも、その才能に意識を向けてみてはいかがでしょうか。
今日は、問題や傷と才能のありか、というテーマでお伝えしました。
ここまでお読みくださり、ありがとうございました。
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