心が痛いとき、それは心の器が広がっているときです。
その痛みはいつか、大切な人を支えることのできるやさしさになります。
１．自分を傷つけるのは、自分しかいない
先日の記事では、自分を傷つけることができるのは、自分しかいない、というテーマでお伝えしました。
あなたを傷つけるのは、あなたしかいない。 - 大嵜直人のブログ
私たちは、誰かの言葉や態度によって、自分が傷つけられたと感じることがあります。
しかし、同じような言葉を聞いても、人によっては気にしなかったりもします。
何にも気にならない人もいれば、ずっと引きずるくらい落ち込む人もいる。
「お前、アホやなぁ」と言われて、学歴にコンプレックスがある人は「何でそんなひどいこと言うのか、信じられない」と感じるかもしれませんが、関西人の方であれば褒め言葉として受けとる人もいます。
その違いがどこから生まれるのかと言えば、「自分が自分を責めているか、どうか」という点が大きな要因としてあります。
「アホやなぁ」という言葉一つにしても、「自分がアホだ」ということで、自分を責めているかどうか。
もし「自分はアホだからダメだ」と責めているのであれば、誰かからのその言葉に過敏に反応して、傷つくものです。
自分を責めて、攻撃している分、それを周りの人に投影してしまっているわけです。
もし責めていなければ、「は？誰のことを言ってんの？」とか、「アホだから、しょうがないよねー」といった反応になるのでしょう。
結局のところ、自分を傷つけるのは、自分自身でしかありません。
だから、もし誰かの言動に傷ついたと感じるときは、自分に対してもっと優しくなれると教えてくれているサインともいえます。
自分を傷つけることができるのは、自分しかいないというのが、昨日のテーマでした。
２．心が痛いときは、心の器が広がっているとき
今日は、もう少しこの傷つくことについて、考えてみたいと思います。
私たちが、心に痛みを感じるとき。
先に書いたような、誰かの言葉で傷つくとき。
他人とのコミュニケーションで、すれ違ってしまったとき。
大切な何かを、失ってしまったとき。
いろんな場面で、私たちの心は痛みを感じます。
それは、悲しさや寂しさ、嫉妬、空しさといった形で現れることもあるのでしょう。
もちろん、昨日の記事の文脈でいえば、それもまた「自分で選んでいる」と見ることができるのかもしれませんが、今日はその痛みの効用というか、意味について考えてみたいのです。
心が痛みを感じるのは、私たちの心の器が広がっているからです。
ほっぺたをつまんで引っ張ると、痛いですよね。
いま私もやってみましたが、手を離してもヒリヒリとしています笑
けれども、引っ張っているとき、その頬は広がっています。
私たちの心もまた、痛みを感じるとき、その器が広がっています。
頬の場合は、広がったままだと困りますが、心の器はそれが広がった分、誰かの痛みや悲しみを、受けとめることができるようになります。
「痛み」とは、もちろんそれは避けたいものであり、自分をいじめたり責めたりすることは必要ありません。
けれども、じゃあ「痛み」を感じることは、まったく意味がないことかといえば、そうではないわけです。
もし、あなたが自分自身を責めてしまっていたと、気づいたとしたら。
いままでの責めてきた時間が、まったく意味のないものだったとか、思わなくてもいいんです。
自分を責めて、傷ついた分、きっとあなたの心の器は広がっているのですから。
３．その痛みは、大切な人を支えるやさしさになる
自分を傷つけることができるのは、自分しかいません。
しかし、たとえ自分を責めたり、傷つけたりしてきたとしても、そのことで自分を責めたりしなくてもいいのだと思います。
そうせざるを得なかったのでしょうし、そうすることでしか、やってこれなかったのでしょう。
けれども、その痛みは、あなたの心の器を広げてくれるものでもあります。
あなたが感じてきた心の痛みは、きっとあなたの大切な人を支えることのできる、やさしさになります。
もちろん、だからといって、その痛みを一人でなんとかしようとしなくても、大丈夫です。
誰かを頼ったり、誰かに吐き出したりしながら、その痛みを癒していけばいいんです。
その誰かもまた、抱えきれない痛みを、誰かに受けとめてきてもらってきたのでしょうから。
かくいう私も、そうですから。
だからというわけでもないのですが。
あなたの痛みもまた、大切な誰かを受け止めることのできる、器の大きさになると思うのです。
その痛みが、自分で自分を責めてきた痛みであったとしても、です。
今日は、痛みは、大切な人を支えることのできるやさしさになる、というテーマでお伝えしました。
ここまでお読みくださり、ありがとうございました。
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