何に悩み、何に苦労し、どんな問題を抱えてきたかは、その人の才能を指し示してくれます。
そして、その才能を自覚することは、その苦しみや悩み、問題の「意味」を変えてくれるものです。
1.一番苦労したことが指し示すもの
昨日の記事では、問題と才能というテーマでお伝えしました。
いままでの人生で一番苦労したことは、才能のありかを正確に指し示してくれる。 - 大嵜直人のブログ
人生のなかで、一番悩み、苦労したこと。
それは、その人の才能のありかを正確に指し示してくれます。
何に心を向けるのかは、その人のパーソナリティであり、個性であり、その人をその人たらしめているものです。
それは、「ウキウキ、ワクワクする」といったプラスの興味を惹かれるものもそうですが、その反対に「心を痛めたり、傷ついたり、悩んだりすること」もまた、同じです。
「ワクワクすることを探そう」という方向で、自分というものを知っていくアプローチがあります。
心惹かれることを集めていくことで、自分らしさを自覚していく(正確には取り戻していく)ことができます。
それとは逆に、自分が苦労してきたこと、抱えてきた問題もまた、自分という存在を深く知る手掛かりになります。
同じできごとが起こっても、何も感じないでスルーする人もいれば、強い痛みを感じる人もいます。
何をもって問題とするか、何に悩むか、何に自分の時間とエネルギーを注ぐかということを、私たちはもう無意識的に選んでいるのでしょう。
そして、それだけのものを注ぎ込めるということは、まぎれもない才能でもあります。
2.才能レベルのものほど、自分に厳しいもの
そうした「才能」と呼べるほどのものは、えてして自分にとても厳しいものです。
「こんなこともできない」
「ふつうはこれくらいできて当たり前」
「なんで、自分はこんなにも…」
…などなど、自分に対しての見方が、異常に厳しかったりします。
もちろん、それは自己否定の問題としてとらえることもできるかもしれません。
それは、仕事を覚えたりするときに聞く言葉かもしれませんが、じゃあそうした想いを持つ人みんなが、「仕事をチャキチャキこなせる才能がある」というわけではないんです。
(もちろん、そうした想いをもとに、めちゃくちゃ手際よく仕事を覚えていく人もいますが)
そうした想いが出るのは、「仕事を覚えること」そのものが根っこにあるわけじゃないんだと思います。
「この周りの人たちに、迷惑をかけたくない」という気持ちがあるから、早く仕事を覚えたい、に変換されるんだと思うのです。
そして、それをもっと掘り下げていくと、「周りの人を喜ばせたい」「自分の周りを笑顔にしたい」と考えられる才能があったりします。
その才能があるがゆえに、その求めるレベルに達していない自分を責めてしまう。
それは、極限まで速さを追い求めてきたサラブレッドの脚が、繊細で弱いことと、似ているのかもしれません。いや、ちょっと違いますかね笑
たとえば、誰かの居場所をつくる才能がある人は、周りの人が緊張していたり、険悪な雰囲気になっていることが、耐えられません。
才能とは、そういった面が多分にあります。
3.苦しみの意味を変えること
じゃあ、もし才能に目覚めて自覚したら、いまのこの苦しみがなくなるのか、と問われたら、「そうでもないのでは…」というのが私の正直なところです。
すごーく、夢の無い話に聞こえるかもしれません笑
でも、嘘を書いたり、魔法の杖をおススメしてもしょうがないと思うんです。
自分の才能を知るって、きっとそうじゃない。
ただ、その苦しみの意味を変えることは、できると思うのです。
それは、自分一人で背負う孤独な苦しみから、誰かのためにという喜びの苦しみへと、意味を変えることができるということです。
(喜びの苦しみ、というのも日本語としてヘンですが…)
才能を自覚するということは、それをどうやって、自分以外の誰かと分かち合おうかと考える、ということと同じです。
たとえそうしたところで、悩みや苦しみ、問題が起きなくなるというわけではありません。
ただ、苦しみの意味が変わります。
悩みの方向性が、変わります。
わたしの問題から、わたしたちの問題に変わります。
たとえば、先ほどの居場所をつくる才能がある人であれば、「自分の居場所がない」という悩みから、「こうした人たちの居場所がない、どうやったらつくれるのか」という悩みになるはずです。
お笑い芸人にしたって、いかにたくさんの人を笑顔にしようか、次のコントのネタで日々頭を悩ませているはずです。
夕食のメニューを考えるお母さんは、今日はどのメニューなら、家族が美味しいと喜んでもらおうか、悩んでいるはずです。
それらは、もちろん楽しいだけではありませんし、その過程のなかでは苦しみもあるのでしょう。
けれども、その苦しみは、その人だけのものではないはずです。
それが、苦しみの意味が変わる、ということです。
さて、あなたの才能とは、なんでしょうか。
それを自覚するほどに、あなたの苦しみや悩み、問題は、実に大きな意味を持ちはじめるのかもしれません。
今日は、自分の才能を知ることで、苦しみの意味を変えられるというテーマでお伝えしました。
ここまでお読みくださり、ありがとうございました。
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