9月に入り札幌、新潟、小倉の開催も終わりを告げると、トライアルレースが始まり、いよいよハイシーズン突入ですね。
・・・あ、すいません、お馬さんのお話です。あまり興味ありませんか。それは残念です。
今日は週末で静かですので、すこしお付き合いいただけますか?
・・・ありがとうございます、それでは遠慮なく。
お馬さん好きは、一年の歳時記をレースとともに感じるものです。
一年は金杯に始まり、厳冬の中に若駒の可能性を感じ、桜の開花とともに春のクラシックの開幕を喜ぶ。
そしてダービーの興奮と祭りのあとの寂しさに浸りながら、翌週から来年のダービー馬を探すというミッションが始まるのです。
夏には函館、札幌、小倉、福島、新潟の空の青さを恋い焦がれながら、少しずつ近づく秋の足音を愛でます。
中山の6ハロン電撃戦を皮切りに秋のハイシーズンが始まり、クラシックでは春の実績馬と夏の上り馬が激突し、伝統の天皇賞から歴戦の古馬が激突します。
そして有馬記念、東京大賞典の馬柱を見ながら、今年一年を労うのがお馬さん好きなのです。
前置きが長くなりました。
今日は、そんなお馬さんに類した言葉をどうぞ。
2006年9月、開催予定だったその演歌歌手の600人のディナーショーの代金を、イベント会社が持ち逃げした。ディナーショーは直前になって中止。被害額は2000万円とも伝えられた。
歌手側にチケット購入客のリストはなかった。その歌手と事務所もまた被害者であったが、一番の被害者である購入客のために、と執念で購入客の連絡先を調べ上げ、600人の中の400人以上を半年後の2007年5月9日に代替のディナーショーに招待する。チケット代を含む諸費用は、歌手と事務所のポケットマネー。
こうして伝えられる逸話が、どこまで真実なのか、外側にいる私たちには分からない。ただ、事実として残っていることが一つある。
2007年5月13日、ヴィクトリアマイル。
12番人気の低評価を覆し、先頭を駆け抜けたのは、コイウタ。
優勝賞金、9000万円。
かの馬の共同馬主のうちのお一方の名は、
その演歌歌手、前川清さん。
放てば満てり
因果応報
おてんとさまはお見通し
禍福は糾える縄の如し
天網恢恢疎にして漏らさず
Heaven helps those who help themselves.
そうかもしれないし、そうでないかもしれない。私たちにできるのは、過去の点と点をつなぐことだけ。どうせなら、楽しく意味づけしてつなげた方がいい。
2017.5.14
私にとってのお馬さんにしても、お客さまの愛しておられることにしても、結局はその中に、自分にとって何か大切なもの、惹かれるものがあるのでしょう。
そしてその大切なもの、惹かれるものとは、結局は自分の中にあるもの、観念や考えが投影されているに過ぎないのかもしれません。
お客さまの愛しておられるものは何でしょうか。
そして、その魅力は何でしょうか。
それはとりもなおさず、お客さま自身の魅力なのかもしれません。
どうぞ、ごゆっくりしていかれてください。
よい週末を。