少しずつ路地に見かける草花も秋の装いになってきました。
草花に目をこらすことはいいですね。
季節の移ろいの他にも、いろんなことを教えてくれます。
今日はそんな草花の中から、ツツジについての言葉です。
自ら散って美しい吹雪となり季節を彩る桜の花などと違い、ツツジは自分その花を散らすことができない。
それは植物学的、生物学的な違いなのか、花を咲かせるまでに使うエネルギーの違いなのか、わからないけれど、ツツジは自分で自らの花を落とせない。
人づてにその話を聞いてから、懸命に咲いた後の力尽きたツツジの花も美しいと思うようになった。
自分で花を落とせないのも、ツツジがツツジであるから。
桜にならなくても、椿にならなくても、
あなたはあなたで美しい。
2017.5.15
私も往々にしてやってしまうのですが、とかく我々は周りと比較して、自分に足りないものを探して、それを身に着けたり、直したりしないといけないと思ってしまいがちです。周りの中に見出す長所や素晴らしいところは、全て自分の内面に備わっているにもかかわらず、です。
けれど、草花はそれも自分以外の何者かになろうとしないんですよね。桜にも椿にもヒマワリにもなろうとせず、ツツジはツツジとして咲きます。花が落とせないことも、まぎれもなく自らであることの証であると受け容れられたら、ますますツツジらしく咲けるのでしょうね。
今日はお帰りの際には、路地の秋の草花をご覧になってはいかがでしょうか。
どうぞ、それまでごゆっくりおすごしください。