大嵜直人のブログ

文筆家・心理カウンセラー。死別や失恋、挫折といった喪失感から、つながりと安心感を取り戻すお手伝いをしております。

音声入力で分かった、私の思考の「遅さ」

先週、初めてスマホの「音声入力」を使ってみました。

その想像以上の速さと正確さ、そして快適さにただただ驚き、使えるときはできるだけ当店の仕込みに音声入力を利用するようにしています。周りに人がいるとこっぱずかしいので、一人になれる場所を探すのが難しいのですが・・・

 

音声入力を使うようになって、気づいたことがあります。

私はおそらく思考のスピードが遅い。

人と比べてではなくて、です。
言葉をつないでいくスピードが、おそらく絶対的に遅い、という話です。

音声入力自体は、キーボードに比べて正確で速いし、楽なんです。でもキーボードで打ってるスピードに比べて、アウトプットのスピードが上がったかと言われると、そうではないのです。

テレビのアナウンサーよりもずっとゆっくりスマホに向かって話しかけるのですが、それが続かないのです。途中で息切れしてしまう。

言葉にして話すのに、タイムラグがあるのです。

どうもこれがキーボードだと「言の葉をローマ字に変換して、ぱちぱち打ってる間」に、次に書く内容の思考がまとまってうまくつながっていたようなのです。ところが、音声入力だとダイレクトにアウトプットされるため、次の内容の思考を言葉にする時間が間に合わず、途切れ途切れになって、結果としてアウトプットのスピードがあまり変わらない。


振り返ってみると、私、話すのはあまり得意じゃないんです。どちらかというと聞く側に回る方が多い。だから「立て板に水」のように話をできる人を見ると、すごいなーって感心してしまう。

それって、キーボードで入力するくらいのスピードでしか話せないなら、そりゃそうなるよね、と妙に納得してしまいます。

性格的なものもあるのかなーと思っていましたが、それはもしかしたら思考が遅いだけなのかもしれない。そして、遅いだけならある程度は鍛えることはできるはず。

もしかしたら、鍛えることで自分ができる会話の質が変わるのかもしれない。
会話の質が変われば、相手の魅力をもっと深く知ることができるのかもしれない。
そして、多くの人のたくさんの魅力を深く知ることができたら、もっと豊かに生きることができる。

思考が遅いことが悪いこと、ってわけでもないんですけどね。遅いことで慎重に選んだ言の葉を紡いでいくことができるのかもしれない。

ただ「大は小を兼ねる」じゃないですが、めっちゃ早口でしゃべれる人は、ゆっくりとはっきりしゃべることを選べると思うのです。そのときどきで、自分がそれを選択できるのが一番いい。

 

ということで、これからも音声入力を積極的に使っていきたいと思います。

今まで、話すのが苦手なのを「思考が遅いから」って視点で見たことは全くなかったのです。

それに37年間生きてきて、初めて気づくことがまだまだあるんだから、世界は面白いことで満ちていますね。

どうぞ、ごゆっくりお過ごしください。