秋の日はつるべ落とし。
その言葉の通りに、日に日に夕暮れが早くなっていく。
少し前まで、7時を過ぎてなお煌々と明るかったような気もする。
けれど、いまは気づけば5時で夕闇の足音が聞こえる。
秋の夜の、静かな夕闇。
虫の声、風の音。
夕闇のその静寂は、時に内省を促してくれる。
その夕闇も、いつかは明ける。
やがてまた冬至という極がやってきて、そして去っていく。
誰かの闇は、誰かの光。
どうしようもない闇は、いつか誰かの光となり希望となる。
くるくる回る地球儀からすれば、昼も夜もなく。
ただ、そこに在るだけ。
陰極まれば陽と成し、陽極まれば陰と成す。
私の陰は、あなたの陽。
あなたの陰は、私の陽。
秋の夜空に、雲の十字。