「執着」していると、結果にこだわり、焦燥感があります。
一方で「コミットメント」には、それがありません。
その心理の違いについて、詳しく見ていきます。
1.「執着」と「手放し」、「コミットメント」
こことのころ、「執着」と「手放し」、そして「コミットメント」というテーマを続けてお伝えしております。
「執着」とは、自分の心が何か一つの対象だけに囚われている状態を指します。
別れた恋人、お金、学歴、あるいは過去の成功なんかもありますよね。
何かに「執着」していると、私たちはそれ以外の選択肢に目を向けることができなくなります。
そうすると、息苦しいですし、生きづらさを感じてしまうんですよね。
そうした「執着」から解放するのが、「手放し」です。
文字通り、握りしめているものを「手放す」わけです。
ただ、それは無理矢理に引きはがしたり、乱暴に捨て去るような態度ではありません。
握りしめた手を、そっとやさしく開いて、その相手にも自分にも自由を与える。
そんなイメージが、「手放し」です。
一方、「執着」ではない選択のしかたが、「コミットメント」です。
決断、覚悟、あるいは肚をくくる、といったイメージが近いでしょうか。
たくさんある選択肢のなかで、一つのものを選び続けること。
「これしかないから」といった消極的な理由や、「これをしないといけないから」といった義務や役割からではなく、喜びのなかで、それを選択し続けること。
それが、「コミットメント」です。
選び続ける、というのがポイントで、「いまの自分には合わない」といったように、選ばないことを自分に許可できるのが、「コミットメント」であるといえます。
2.自分と未来を信頼しているか、どうか
さて、この「執着」と「コミットメント」ですが、ここまでの文脈の通り、「コミットメント」の状態の方が望ましいわけです。
しかし、「選んでいる」という状態だけを見ると、この二つは非常に似ていたりします。
そのなかで、「執着」と「コミットメント」の違いについて、今日は少し触れてみたいと思います。
まず、「執着」しているとき、どうしても重く、そしてどんよりとした心持ちになることが多いものです。
端的に言えば、「執着」していると、自分がしんどいわけです。
その反対に、「コミットメント」できているときは、軽さがあり、明るさがあります。
「コミットメント」できていると気分が楽で、深呼吸できるような、そんな状態です。
どうしてその違いが出るのかといえば、「自分と未来を信頼できているかどうか」がポイントなのでしょう。
「執着」しているとき、私たちは自分を信じることができず、必然的に未来をも信じることができません。
「この仕事の評価がよくなかったら、どうしよう」
「彼女とうまくいかなかったら、この先自分は誰にも愛されない」
といったように。
一方で、「コミットメント」できているとき、私たちは自分を、そして未来を信じることができています。
「まあ、うまくいかなくても、そのときは仕方ない」
「そのときは、また考えよう。私なら、だいじょうぶ」
といったように。
これ、自分が選択した未来の結果を、受け入れる準備ができているともいえます。
結果よりも、プロセスの方を楽しめている、とも表現できるでしょうか。
だから、「執着」しているとき、焦燥感があります。
早く、自分の望んだ結果が欲しくて、焦ったり、じれったくなってイライラしたりするわけです。
一方で、「コミットメント」できていると、焦燥感はありません。
先ほどお書きしたように、プロセス自体を楽しめているわけですから、結果が出なくても、焦ることなく、いま自分のできることに集中して、楽しめるわけです。
そして、たとえ自分の望んだ結果が出なかったとしても、それを受け入れ、じゃあどうしようか、と前を向くことができるのです。
「執着」と「コミットメント」には、そんな違いがあります。
3.自分を癒し続ける=見方を広げ続ける
ただ、「執着」も「コミットメント」も、人の心のありようですから、100%どちらか、というのはありえないものです。
7割くらいはコミットメントできているかな、まだ8:2くらいで執着の方が大きいな、といった感じで、グラデーションになっているのが、人の心なのでしょう。
それは、日によっても変わるでしょうし、もっと言えば時間によっても変わるのでしょう。
それでいいのでしょうし、それが自然なんだと思います。
じゃあ、どうやったら「コミットメント」の割合を多くできるのか、ということですが、これはひとえに「自分を癒し続ける」ことに尽きると思います。
自分の感情を感じつくすこと。
自分を受け入れること。
自分を肯定すること。
自分を愛すること。
もちろん、それは自分一人でやらなくても大丈夫です。
周りの信頼できる人や、カウンセラーの手を借りて、癒していけばいいんです。
「癒し」とは、ものごとの見方がポジティブに変わることを指します。
自分を癒し続けることで、世界の見方、とらえ方が変わっていきます。
ある人や、起こったできごとに対する見方が、複層的になります。
そのときは理不尽にしか見えなかったできごとが、素敵な未来への一里塚に見えたりもするわけです。
それは、選択肢を増やすことでもあります。
「コミットメント」とは、選択肢のなかから、選び続けることと、冒頭で書きました。
だから、「コミットメント」するためには、自分を癒し続けることが、とても大切なことです。
自分を癒すこと、自分を肯定すること、自分を愛すること。
「またそれか…」と思われるかもしれませんが笑、でも、そうなんです。
飽きずに、あせらずに。
自分を癒していきましょう。
今日は、「執着」と「コミットメント」の違い、というテーマにしてお伝えしました。
ここまでお読みくださり、ありがとうございました。
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