時節は「大雪」から「冬至」に移りました。
陰極まりて、陽となす。
寒さはこれから本番ですが、日の長さは冬至を境に、少しずつ少しずつ長くなっていきます。
雪解けや東風、あるいは草木の芽吹きなど、目に見える形での春の訪れはまだまだ先ですが、すでにその春へ見えない部分で切り替わってはいるようです。
一日が、昼と夜を繰り返すように。
月が、朔と望を繰り返すように。
潮が、満ち引きを繰り返すように。
植物が、萌芽から開花、そして種子へとめぐるように。
あらゆるものはひとつながりに、そのめぐりを繰り返していきます。
それは、いくつもの車輪のように。
くるくると回りながら、どこかへ行ったかと思えば、また同じ場所へ戻ってくるようです。
車輪は幾度も回り続けますし、その表面はものすごい速さで動いていたりします。
けれどもその中心にある軸は、ずっと動かずにいます。
季節はめぐりゆけど、そこに変わらないものを見つめるのも、また趣深いものです。
変わりゆくもの、変わらないもの。
冬至を過ぎて、少しずつ伸びていく陽の長さ、その力を感じながら。
あわてずゆっくりと、歩いていきたいものです。
冬至の日の朝、やわらかな陽光。陰から陽へと。