大嵜直人のブログ

文筆家・心理カウンセラー。死別や失恋、挫折といった喪失感から、つながりと安心感を取り戻すお手伝いをしております。

「本来の自分」とは何かを考える前に、いまの自分を受け入れることからはじめよう。

「本来の自分」とは何か?とは、誰もが一度は考えたことのあるテーマなのではないでしょうか。

それを考えるヒントと、「本来の自分」に近づくごとに得られる恩恵について、お伝えします。

名著「傷つくならば、それは「愛」ではない」(チャック・スペザーノ博士:著、大空夢湧子:訳、VOICE:出版)の一節から。

1.自分自身でいることは、スターでいること

スターというのはとても明るく輝く人、全面的に自分の才能を与える人です。

スターはみんなを愛しているので、人々はその光に引き寄せられて「故郷」への道を発見するのです。

 

あなたが本当に自分自身を知るためには、あなたのなかの天才に気づいてください。

まわりの人々にとって、あなたの存在がどれだけ貴重な贈り物であるのかを知りましょう。

スターはとても静かかもしれませんが、強烈な愛の光を輝かせ、暗闇を燃やしてしまうのです。

 

「傷つくならば、それは「愛」ではない」 p.393

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2.「本来の自分」とは何か?

今日のテーマは、「本来の自分」でしょうか。

「センター」、あるいは「本質」など、さまざまな呼び方があるかと思いますが、そんなテーマで書いてみたいと思います。

心理学を学ぶことと、自分探し

心理学を学びはじめるきっかけは、いろんな形があると思います。

純粋に人の心の織りなりに興味があったという人もいれば、自分では乗り越えられない問題があって学び始めた人もいるのでしょう。

私の場合は、もともと興味はあったのですが、本格的に学んだのは、人間関係をはじめとした、いろんな問題を抱えてからでした。

やはり人間、必要にならないと、やらないようです笑

さて、そうして心理学を学び始めると、いろんな心の世界のことについて知っていきます。

そうしたもので、自分の心の動きや、これまでの選択を振り返ってみると、非常に新鮮な目で見ることができます。

「あぁ、だから私って、こうなんだ」

「そうか、なるほどなぁ…」

といった感じで。

手品の種明かしをされたような、そんな感覚に陥ることが、私も何度もありました。

そしてそれは、おそらくこれからもあるのでしょう。

さて、そうして心理学を学んでいくと、一つの問いが自分の心のなかに芽生えてきます。

「本当の私って、なんだろう?」

多くの人が、その問いを持つのではないでしょうか。

そして、その「本来の自分」に、過度な期待を持ってしまうこともあるのでしょう。

かくいう私もそうでした。

「週刊少年ジャンプ」で育った人間にとっては、至極当たり前なのです。

平凡な暮らしをしていた主人公が、実はある特別な才能を持っていて、何らかの出会いでそれを開花させ、活躍させていく…という少年漫画の典型的なストーリーに、よく憧れたものです笑

けれども、そういった劇的なストーリーは、なかなか起こらないものです。

ほんとうの変化とは、地味で、なかなか気づかれないところに宿るように思います。

いまこの瞬間の自分を、受け入れる

身も蓋もない話になってしまうのですが、「本来の自分」とは、どこか遠いところにあるのではありません。

いまの自分とまったく違ったところ、いまの自分のカウンターパートに「本来の自分」がいるわけではありません。

それは、形を変えた自己否定といえます。

いまの自分を切り離したところに、「本来の自分」があるのではありません。

それは、たとえ感情を抑圧してしまったり、我慢を重ねてしまったり、いい人をずっとしてきたりしたとしても、です。

一つ大切なのは、「どの瞬間の自分も、大切な自分自身」という視点でしょうか。

会社のなかでの自分。
母親の前でも自分。
友達の前での自分。
SNSの上での自分。
パートナーの前での自分。

誰しもが、それぞれの場面での自分というものを、持っていることでしょう。

そのどれかが「偽りの自分」であり、どれかが「本来の自分」というわけでもないと、私は思うのです。

どれもが大切な自分自身であり、そういった意味では、どれもが「本来の自分」とも言えるのでしょう。

いま、この瞬間の自分を受け入れる。

それができる人は、「本来の自分」である、といえると思うのです。

3.「本来の自分」がもたらす恩恵とギフト

「本来の自分」は周りの人を惹きつける

「本来の自分」とは、いまの自分とはかけ離れた、どこか遠い別の場所にあるのではない。

いま、この瞬間の自分を受け入れることこそが、「本来の自分」へとつながる第一歩である。

「これも、大切な私」

「これが私だから、しょうがない」

そんなふうに自分のことを受け入れていくごとに、変わっていく何かがあります。

そうしたステップを踏んでいくと、その人の生が輝きを帯び始めます。

それは、心理学を学び、自分と向き合い続けていくことの、大きな大きな恩恵です。

その輝きとは、外見や身につけたものではごまかせない、内面からにじみ出る輝きです。

(もちろん、外見も身につけるものも、重要です。自分を肯定していくなかで、自分に合ったものを身につけるようになることもありますしね)

その人本来の輝き、というか。

ごまかしのなさ、偽りのなさ、自己同一性、あるいはセクシャリティ。

そうしたものを、感じさせるようになっていきます。

それが、明るさや活発さとなって表れる人もいれば、内省をさらに深める形で表れる人もいるのでしょう。

「自分自身でいることは、スターでいること」

まさに舞台の上のスターであるかのように、人を惹きつけるのが、「本来の自分」といえるのでしょう。

才能とは、本人がそれと思っていないところに宿る

「本来の自分」に戻るほどに、私たちは自然に生きられるようになります。

肩の力を抜いて、リラックスして生きられるようになります。

そうしていくと、何が起こると思いますか?

周りの人が、大きな恩恵を受けるのです。

なぜか。

それは、自分自身が「本来の自分」で生きることは、とても自然な形で、周りの人に与えることができるようになるからです。

「才能とは、本人がそれと思っていないところに宿る」という言葉があります。

自分があまりにも自然にできることこそが、才能である、というわけです。

それは、周りの人を気遣うことかもしれません。

笑顔で大切な人を癒すことかもしれません。

あるいは、誰かとつながりをつくることかもしれません。

あなたが意識もしないくらいに自然にできることこそが、あなたの才能です。

それが、自己否定があったり、自分を偽っていたりすると、どこか出し惜しみしてしまったり、それを出すことを怖れてしまったりします。

けれども、「本来の自分」に戻るほどに、それが自然に出せるようになっていきます。

あなたが本当に自分自身を知るためには、あなたのなかの天才に気づいてください。

まわりの人々にとって、あなたの存在がどれだけ貴重な贈り物であるのかを知りましょう。

自分自身の天才に気づくこと。

それが、「本来の自分」に戻ることともいえるのでしょう。

それはまた、あなたの存在が、周りの人にとってどれだけ貴重なギフトであるかを知ることともいえます。

それは、何かができるという役割ではなく、あなたがそこに存在しているだけで、周りの人にとっては大きな贈り物であるのでしょう。

「そんなことない!」と思われますでしょうか笑

でも、そうなんですよ。ほんとに。

あなたの存在、それがどれくらいの人を笑顔にしているか。

それが、周りの人にとって、どれくらい貴重な贈り物であるか。

それを受けとることが、「本来の自分」を知ることといえるのでしょう。

 

今日は「本来の自分」というテーマについて、少し考えてみました。

ここまでお読みくださり、ありがとうございました。

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