私たちは、自分のなかにないものを、外の世界に見ることはできません。
周りの人が持っていると感じる長所や価値、才能は、自分自身が持っているものといえます。
1.自分の価値や才能を知るための方法
昨日の記事では、自分の価値や才能を知るための方法、というテーマでお伝えしました。
自分の価値や才能を知るための2つの方法。 - 大嵜直人のブログ
たしか、「くまのプーさん」のどれかの映画の一場面だったと思うのですが、あのおとぼけプーさんが、お友達のピグレットに伝えたセリフが思い出されます。
「これだけは忘れないって約束して。君は自分が信じているよりも勇敢だし、見た目よりずっと強いし、自分が思っているより賢いんだよ。」
いいセリフですよね。
ピグレットは、自分のことを臆病者で、か弱くて、頭がよくないと思っているのですが、どうもそれは真実ではないようです。
プーさんから見ると、ピグレットは、仲間想いで、大切な友だちのためには勇気を出せる強さがあり、そして賢さを持っていると見えるようです。
まるで正反対の評価ですよね。
いろんな映画での活躍を見ていると、どうもプーさんの評価の方が、真実に近いように見えるのですが、どうなんでしょうか。
これ、映画のなかに限った話でもなくて、私たち自身にも起きていることではないでしょうか。
カウンセリングでも、「私は本当に冷たい人間で…」とお話しされる方が、どれほど温かなまなざしを持っておられるか…そんなことは、たくさんあります。
どうも、私たちの自己評価というのは、かなりアテにならないようです。
もちろん、だからこそ私たちは言葉を使いコミュニケーションを取るのでしょうし、いろんなできごとを経験するなかで、自分という存在を知っていくのでしょう。
カウンセリングや鑑定やコーチングを受けたりするのも、自分を知る一環といえますよね。
昨日の記事では、そんな見えづらい自分の価値や才能を知るために、2つの方法をご紹介しました。
一つは、誰かに聞く、という方法。
もう一つは、自分が悩んできた問題から、その裏側にある価値や才能を知る、という方法。
いずれも王道中の王道と言えるものですが、引き続き今日は、自分自身の価値や才能を知るためのヒントをお伝えしたいと思います。
2.あなたの周りの人の素晴らしいところは?
5人の長所をリストアップするワーク
少し、考えてみていただきたい質問があります。
「この人すごいなぁ」「この人に憧れる」「あの人、ステキだな」と、あなたが感じる人を、5人ほどリストアップしてみてください。
有名人でもいいのですが、できればあなたの身の回りにいらっしゃって、面識がある方の方がいいかもしれません。
あまり深く考えずに、直感的に選ぶのがいいと思います。
…5人、浮かんできたでしょうか、
そうしたら、その人たちの素晴らしい点、憧れる点、すごいと思うところを、一人ずつに対してリストアップしてみてください。
〇〇さんを挙げたのは、周りの人に気遣いができて、いつもみんなに元気を与えてくれる点、とか、そんな感じでしょうか。
紙でもスマホのメモでも、文字にしておくことをおすすめします。
これは、少し時間をとっていただきたいところです。
さて、リストアップできましたでしょうか。
周りに見える長所は、すべて自分の「投影」
まあ、ここまで引っ張らなくても、そもそもこの記事のタイトルで、すでに種明かしをしてしまっているようなものですよね笑
そうなんです。
先ほどリストアップした価値や長所、素晴らしい資質は、あなた自身が持っている者なんです。
どんな点がリストアップされましたでしょうか。
ぜひ、お聞かせいただきたいです。
そして、ご自身で音読してみてください。
「私の素晴らしいところは…」といった感じで。
自分でやるのに抵抗があるのでしたら、誰かに「あなたの素晴らしいところは…」といった感じで、読んでもらってください。
そっちの方が恥ずかしいでしょうか笑
私たちは、自分のなかにあるものしか、外の世界に見ることができません。
「投影」の心理です。
「やさしい、気遣いができる」という才能が自分のなかになければ、他の人がそうであっても、気づけないものです。
自分が「やさしさ」を知っているから、周りの人の「やさしさ」に気づくことができる。
逆に、自分のなかにそれがなければ、周りの人がそれを持っていても、気づけないわけです。
周りの人の素晴らしい点や長所を見ることができるのは、あなたのなかに同じものがあるから。
ちょっと例えとしてはズレるかもしれませんが、私が18歳で一人暮らしをはじめたとき、ご想像の通り、家事の大変さを知ったわけです。
単にごはんをつくる、掃除や洗濯をするといったことだけではなくて、実に多くの「名もなき家事」があることに、一人暮らしをしてようやく気づくわけです。
あぁ、いままで気づかなかったなぁ…ありがたいな…と、ホームシックになりながら、しみじみと感じたわけです。
それも、そうした家事があることを「知っている」からこそ、いままでのありがたみを感じることができたわけです。
周りの人の長所や資質もまた、同じです。
自分のなかにその資質があり、それを「知っている」からこそ、周りの人の持っている資質に気づけるわけです。
「えー、そんなことないよぉ」と思われるでしょうか。
すぐに全部受けとろうとしなくても、いいんです。
「ふーん、そうなのか。自分にもこんな素晴らしいところがあるのか」
くらいの、かるーい感じの方がいいのでしょう。
3.「投影」は近い人ほど色濃く映し出すものだから
周りの人が持っていると感じる資質や才能、長所は、そもそも自分自身が持っているもの。
自分自身のなかにあるものしか、私たちは外の世界に見ることができないからという、「投影」の心理が、それを教えてくれます。
さて、この「投影」の心理ですが、自分にとって近い存在であるほど、色濃く自分自身を映し出す、という性質があるものです。
会社で挨拶をする程度の他部署の人よりも、自分の息子の方が、色濃く自分を「投影」してしまうのは、なんとなく想像できるかと思います。
そして、この「投影」は、長所や価値、才能といった、ポジティブな面もそうなのですが、その反対のネガティブな面もまた、同じです。
自分のなかにあるネガティブな想いや観念といったものが、近しい関係性の人にほど、色濃く映し出されるわけです。
パートナーシップにおいて、付き合い始めはステキだと思っていたのに、関係性が長く、そして近くなってくると、その相手のイヤな面ばかりが見えてくるのは、そのためです。
自分自身の持っているネガティブなパターンや観念を、相手に「投影」しやすくなるわけです。
多くの場合、そこで関係性の清算(別れるのか、我慢していくのか)が訪れるわけですが、相手のいいところを見続けることで、それを避けることもできます。
だからこそ、関係性の近い存在に対しては、よく言われるところの「美点凝視」が、非常に大切になってくるわけです。
相手のいいところ、長所、価値、才能を見続けるわけです。
結局のところ、それは自分自身の価値や才能を見続けることに他ならないわけですから。
さて、あなたの身近な人たちの素晴らしいところ、長所や価値、才能はなんでしょうか。
今日は、それを見続けることを意識してみるのは、いかがでしょうか。
それは、その人との関係性をよくするだけでなく、自分自身を知るためにも、とても大きな意味があるものです。
今日は、周りの人が持っていると感じる長所は、自分が持っているもの、というテーマでお伝えしました。
ここまでお読みくださり、ありがとうございました。
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