「癒す」と決めるのは、自分自身です。
そうだとしても、癒されなかったいままでの自分を責めることだけは、しなくてもいいと思うのです。
1.「癒す」と決めるのは、自分
先日の記事では、「癒す」と決めることについて、お伝えしました。
「癒される」こともまた、自分で決めることができるもの。 - 大嵜直人のブログ
心理学において「癒し」とは、「ものごとの見方がポジティブに変わること」を指します。
それまで許せなかったできごとが、ふっと「まぁ、いっか」と軽く思えたり。
あるいは、大好きな人との別れが悲しくて、ずっと引きずっていたのが、「それでも、出会えてよかったな」と感謝できるようになったり。
ものの見方、考え方、価値観、ビリーフ、あるいは観念。
そうしたものが、ポジティブな方向に変わることを「癒し」と呼びます。
それは、まるでパソコンやスマホのOS自体が変わってしまうような、そんな変化です。
しかし、「癒される」という日本語があるように、私たちは「癒し」を受動的なもの、と捉えてしまいがちです。
けれども、そうではないんですよね。
「癒す」と決めるのは自分であり、また「癒さない」としているのもまた、自分です。
自分を「癒す」と決めることが、すべてのスタートです。
そして、いま「癒す」と選べないのだとしたら、それには理由があるのでしょう。
もしそうだとしても、私たちはいつでも選び直すことができる、というのが昨日の記事のテーマでした。
2.被害者の立場でいることのメリット
しかし、もしかしたらこんな風に感じられるかもしれません。
「いや、こんなにも傷ついていて苦しいのに、それを選んでいるなんておかしい」、と。
もちろん、いま傷ついてしんどいと感じるのであれば、そう感じている自分をいたわり、ケアすることが最優先だと思います。
たとえば足を骨折しているのに、「自分は走れる!」と無理矢理に走ろうしても、その怪我を悪化させるだけなのと同じように。
その上で、もし自分を癒したいと感じるのであれば、その傷に向き合ってみることは、意味があることかと思います。
癒されないままでいること、傷ついたままでいること。
その状態がいままでの自分にとって「望ましい」状態だったとしたら、それはなぜだろう?という視点です。
言い換えると、それは「被害者」の立場でいることのメリットとは何か?を考えてみることです。
カウンセリングでも、よく出てくる見方ですね。
その状態を、自分自身が選んでいるとしたら、そのメリットはなんだろう?という見方。
はい、とてもイヤーな感じがしますし、できればあまり正面から向き合いたくない感じがしますよね笑
もちろん、そのメリットや理由は、その人その人によって異なるのでしょうし、何かが正解というものでもありません。
答えは一つではなく、複数あることもあるのでしょう。
傷ついたままでいることのメリット。
あなたにとってのそれは、なんでしょうか。
3.いつでも、決められる
傷ついたままでいることのメリット。
被害者でいることで、得ているもの。
それは、なんでしょうか。
考えられるものとして、一つは周りからやさしくしてもらえる、という点でしょうか。
あとは、自分から何も決めなくてもいい、自分で責任を取らなくてもいい、という点なども考えられます。
傷つけた誰かを悪者にしておくことで、自分が絶対に正しい立場でいられる、という点も考えられそうです。
もちろん、先ほど書いたように、正解があることではありません。
また、その理由が見つかったとして、それで自分を責めることは、絶対にしてはいけません。
だって、そうせざるを得なかった、というだけなのでしょうから。
もしかしたら、それだけ大切な人にやさしくしてもらえなかった経験が、あったのかもしれません。
自分が何かを決めることで、大きな失敗をしたと感じたことが、あったのかもしれません。
正しくないと、生きられない環境で生きてきたのかもしれません。
そうしたことを責めたりするのは、とても悲しいことですよね。
だから、「そうでもしないと、いままでやってこられなかったんだね」と、自分に対してねぎらってあげるのが癒しであり、大切な視点だと思うのです。
そして、さらに大切なことは、いままでそうだったとしても、これから先は自分が「選べる」ということです。
癒すのも、許すのも、手放すのも。
自分が、選ぶことができる。
たとえ、いまあなたが傷ついていたりして、しんどかったり辛かったりしたとしても。
あなたが、これからの道を選べるということを、私はずっとお伝えしていきたいと思っています。
今日は、傷ついた「癒し」は自分で選ぶことができる、というテーマでお伝えしました。
ここまでお読みくださり、ありがとうございました。
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