大嵜直人のブログ

文筆家・心理カウンセラー。死別や失恋、挫折といった喪失感から、つながりと安心感を取り戻すお手伝いをしております。

「時間」という癒しの力があるから、今日できることをすればだいじょうぶ。

「時間」というのは、偉大な癒しの力を持ちます。

それは、自分が自分を癒していく力を信じることと、同じことです。

1.「癒し」とはOSのアップデート

昨日の記事では、「癒し」とはOSのアップデートのようなもの、というテーマでお伝えしました。

「癒し」とはOSをアップデートするようなものであり、オーダーメイドなもの。 - 大嵜直人のブログ

「癒し」にもいろんな意味合いがありますが、ここでは「ものごとの見方がポジティブに変わること」を指します。

過去のできごと、自分に対する見方、ひいては世界観…そういったものが、自分にとってポジティブに変わること、それを「癒し」と呼びます。

それは、新しい知識や方法論を得ることとは、少し意味合いが異なります。

昨日は、それを「新しいアプリのインストール」と「OSのアップデート」に例えてみました。

知識を得たり、新しいコミュニティに参加したりすることは、スマートフォンでいうところの「新しいアプリのインストール」に近いものです。

それによって、いままでできなかったことが、できるようになったりします。

電子マネーを使えるようになったり、流行りの音楽を聴けるようになったり、ニッチな動画を見られるようになったり。

しかし、それと「癒し」が起こったときの反応は、全く異なります。

それは、スマートフォンの「OSがアップデートされた」ようなものといえます。

自分を動かす基本的なルールそのものが、変わってしまう。

そのような体験を、「癒し」と呼びます。

それによって、行動基準が変わるでしょうし、大切にしているものも変化するでしょうし、いままでできていたことができなくなったりもするのでしょう。

そして、「癒し」とは、自分だけのプロセスを歩むものでもある、というのが昨日のテーマでした。

生まれてきた環境、家族との関係、いままで興味を惹かれたこと、これまで経験してきたこと…そうしたことが十人十色であれば、そこから得られた価値観とそれを癒すプロセスもまた、十人十色なのでしょう。

心理学が教えてくれるのは、「こうすると絶対に癒される(こうしないと癒されない)」というものではなく、「こうすると癒される可能性が高い」という考え方です。

心理学は統計学、といわれたりするのは、そのためです。

「癒し」への道のりは、無限にあるといえるのでしょう。

だから、誰かと比べたり、はやく癒そうとすることよりも、まずは「自分を癒す」と決めることが、最も大切なことなのでしょう。

それを決めてさえいれば、あなたは「癒し」の道のりの上にいるのですから。

2.「時間」という癒し

さて、そのような「癒し」ですが、そのなかには「時間」というものがあります。

こう書くと、身も蓋もないように聞こえるかもしれません笑

けれど、自分が傷ついていたり、騒動の渦中にいたりするときって、このことを忘れてしまっていることが多いんですよね。

だから、今日は少し「時間」という癒しについて、少し考えて見たいと思います。

「時間が解決するなら、別に大嵜のカウンセリングは要らないんじゃ…?」と思われた方は、そう言わずに最後までお付き合いください笑

少し振り返っていただきたいのですが、3年前、あなたは何に悩んでいたでしょうか。

10年前は、どうでしょうか。

20年前、あるいは30年前はどうでしょうか。

いろんな悩みがあるかと思います。

私も書いていて思いだしていたのですが、私の30年前は、思春期真っただ中でした。

自分の「くせ毛」がイヤで仕方なかったり、あるいは、内向的でみんなとうまく話せなかったり、そんな悩みを持っていたでしょうか。

そうした悩みを、いまでも抱えているかといえば、そうではありません。

20年前の自分、あるいは10年前の自分の悩みも、それに近いように感じます。

あなたの悩みは、いかがでしょうか。

10年前の悩みは、全く変わらずに、

20年前の悩みは、どうでしょうか。

もちろん、そうした悩みの根源は同じで、形を変えてまた現れる、と見る視点もあるでしょう。

あるいは、「そりゃあ、単に年を取っただけだよ」と思われるかもしれません。

けれども、もし以前に悩んでいたや、心を痛めていたことが、その当時に比べて、少しでも気にならなくなっているとしたら。

「時間」が、自分を癒してきたといえるのではないでしょうか。

そしてそれは、それだけ自分を癒してきたと見ることも、できるのではないでしょうか。

たとえば、自分の指を切ってしまったとしても、その傷を固めて血を止め、その傷を小さくして、治していく力が、私たちの身体には備わっています。

そうした力が、心には備わっていないと考える理由は、少ないように思います。

ただ、そうした力を阻害するようなことをしていると、治りが遅くなるのは、身体も心も同じなのでしょうけれども。

3.だから、今日できることをする

「時間」という癒し。

表現を変えると、それは「自分が自分自身を癒す力を信じる」ことなのかもしれません。

誰にでも、自分を癒していく力があります。

じゃあ、何もしなくてもいいんじゃないか、と言われると、それも少し違うと思うんですよね。

たとえば、長い歴史のある神社を訪れると、荘厳さや清々しさを感じられたりします。

単に時間の積み重ねだけが、そうした雰囲気をつくったのかと問われれば、違うように思うのです。

その長い時間をかけて、その場所を守り、建物をメンテナンスする人がいてくださって、そして、日々訪れる人の祈りや想いが積み重なって、その雰囲気をつくっているのではないでしょうか。

もちろん、それは別に神社に限ったことではなく、居心地のいい飲食店やコンサートホール、あるいは球場なんかも、同じだとは思います。東京競馬場とかも、ね。

話が少しそれてしまいました、すいません笑

「自分には自分自身を癒す力がある」からこそ、そのために今日できることをしていくことが、とても大切なんだと思います。

ただ、それを焦ったり、比べたり、無理したりして、何か特別なことをする必要は、ないんだと思います。

自分を癒すために、今日の自分にできること。

ほんの、小さなことで、いいんです。

自分に、やさしくすること。

自分の感じていることを、そのままに大切にすること。

自分へのダメ出しを控えること。

温かいものを、ゆっくり飲む時間を取ること。

そうしたことを積み重ねていくと、「時間」という癒しの力を、最大限に使うことができるのではないでしょうか。

誰にでも、自分自身を癒す力が宿っている。

私はカウンセリングの中で、そんな力を思い出していただけるような、そんなカウンセリングをご提供していきたいと思っております。

今日は、「時間」という癒し、というテーマでお伝えしました。

ここまでお読みくださり、ありがとうございました。

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