「真実」とは、それを受け入れるまで悪魔のように見えたりするものです。
けれども「真実」は、決してあなたを傷つけることはありません。
1.「癒し」と「真実」
「癒し」について
ここのところ、「癒し」をテーマにした記事を続けております。
心理学においての「癒し」とは、ものごとの見方がポジティブに変わることを指します。
起こったできごとや、誰かに言われた言葉は、変えることができません。
しかし、そのできごとや言葉、言動の「私たち自身の」解釈は、変えることができます。
「人生最悪の悲劇」が、「人生最大の喜劇」や「いまの自分をつくってくれた原点」になることは、誰の身にも起こりうることです。
いや、起こりうるというよりも、そうすることができる、と表現した方がいいでしょうか。
「癒し」を起こすのも、傷ついたままでいるのも、自分次第といえます。
もちろん、何度もお伝えしている通り、傷ついていることが間違っていることでも、情けないことでも、悪いことでもありません。
傷ついていなければならないだけの「理由」が、そこにはあったのでしょうから。
その傷ついていた自分を責める必要は、全くありません。
ただ、大げさでも何でもなく、いまこの瞬間から、「自分を癒す」と決めて進むことはできます。
「事実」と「真実」
「事実」と「真実」という見方があります。
「事実」とは、客観的に実際に起きたできごとを指します。
- 10月23日に彼女と一緒にランチした。
- 昨日、発注漏れが発覚して取引先にお詫びに行った。
- 10歳のクリスマスで、ほしかったプレゼントがもらえなかった。
- 3年前の今日、父親が亡くなった。
こうした「事実」は、変えられません。
漫画に出てくるような特殊能力があれば、もしかしたら変えられるかもしれませんが笑
きっと、そのような能力者の方は、いらっしゃらないと思います。
私も、その能力はございません笑
一方で、その「事実」に対して、自分がどのように受け止めているかは、変わっていきます。
日々変わることもあれば、長い年月をかけて変わることもあるのでしょう。
この「事実」の受け止め方を、「真実」と呼びます。
起こったできごとは変えられませんが、「真実」は変えることができます。
あるできごとに対して、10人いれば10通りの感じ方があります。
その見方、感じ方は一つではないですし、正解があるものでもありません。
そして、お察しの通り、自分のなかでの「事実」の捉え方を、ポジティブな「真実」に変えることこそが、「癒し」といえます。
2.「真実」は、それを受け入れるまで悪魔の姿に見える
あるできごとに対して、自分の生を前向きにしてくれる見方を採用していけばいいのですが、なかなかそうはいかないものです。
たとえ、それが自分にとってポジティブな見方だったとしても、その見方を採用できないのが人情です。
がんばって勉強して望んだ受験に失敗して落ち込んでいるのに、
「学歴なんかよりも、大事なものがあるよ」
と言われても、まったく心に響かないものですよね。
同じように、たとえそれが自分にとって前向きになれる見方であっても、なかなか受け入れられないことがあります。
もちろん、そこには罪悪感だったり、いろんな心理的な抵抗があるのですが、今日は少し違った角度から考えてみたいと思います。
私が以前に受けたカウンセリングのなかで言われたもので、こんな言葉がありました。
「真実は、それを受け入れるまで、悪魔の姿に見える」
これ、結構グサッときました。
そうなんですよね。
まあ、平たく言えば「良薬は口に苦し」なのでしょうけれども。
自分の人生にとって、キーストーンになりうる「真実」であればあるほど、それは絶対に受け入れられない悪魔のように見えます。
「うぎゃー、絶対にイヤだわ、そんなの!!」
そう感じたりもするものです。
自分が人を惹きつける才能を持っていることだったり、
大嫌いな母親にずっと愛されていたことを認めることだったり、
一人でやってきたのに、実は周りの人に助けられてきたことに気づくことだったり…
まあ、いろいろありますよね笑
これ、「嫌悪感を覚える」とか、そういったものとは違う感覚なんですよね。
イヤなら、見なければいいだけです。
けれども、なぜか目を逸らせない。気になる。
けれど、やっぱり悪魔のように見える…
そうしたものは、あなたにとってのコアな「真実」に近いのかもしれません。
3.それでも、「真実」はあなたを傷つけない
さて、先ほどの「真実は、それを受け入れるまで悪魔の姿に見える」という言葉ですが、続きがあります。
それは、
「それでも、真実は決してあなたを傷つけません」
というものです。
そうなんです。
悪魔に見えようとも、「真実」は決してあなたを傷つけないのです。
悪魔に見えるのに、というのが、いじわるなところですよね、ほんと…
自分の価値や魅力、才能を認めること。
周りの愛を受けとること。
愛されてきたことを知ること。
決して、「真実」はあなたを傷つけません。
その「真実」が、あなたにとってのコアなものであればあるほど。
悪魔のように見えるのですから、その「真実」を受け入れるのには、ある種の勇気が求められるのかもしれません。
冒頭に申しあげた意味での「癒し」も、また同じです。
自分で決めるものとは言いつつも、その決めるためには、強い決意だったり勇気が要るものです。
けれども、受け入れると決めたあなたを、「真実」は決して傷つけません。
その「真実」が見せてくれるのは、新しいあなたの放つ、美しい光なのでしょう。
今日は、「真実」は決してあなたを傷つけない、というテーマでお伝えしました。
ここまでお読みくださり、ありがとうございました。
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