私たちは「自立」するほどに、相手や状況をコントロールしようとします。
しかし、そうしたコントロールを手放していくと、いままで受けとれなかった愛を受けとることができるようになります。
1.コントロールしたくなる自立的な人たち
先日の記事では、「そのおかげで」という点を考えることは、受けとれるものを増やしてくれるというテーマでお伝えしました。
「そのおかげで」を考える恩恵は、受けとるものを増やせること。 - 大嵜直人のブログ
私たちは、「自立」するほどに、受けとることが難しくなります。
周りの人の想いであったり、気遣いだったり、愛であったり。
「自立」とは、他人に頼るのをやめて、なんでも自分でやろうとする心理です。
これは、「依存」の時代に傷ついた分だけ、その傾向が強くなります。
「依存」の辛さの一つに、自分のほしい愛が、ほしいタイミングで手に入らないという点があります。
いくらミルクがほしくて泣いても、自分ではどうにもできないわけです。
それがイヤだから、「それなら、自分でやる!」と立ち上がるのが、「自立」へのステップです。
もちろんそれは、自分でできることを増やしてくれるという、ポジティブな面があります。
しかし、その「自立」する過程で、私たちはなんでもコントロールしたがります。
ある意味で、それは当たり前ですよね。
自分の思い通りにいかないこと、ままならないことが辛くて、「自立」したのですから。
けれども、そのコントロールの心理は、私たちが受けとれるものを狭めてしまいます。
2.束縛するほどに、愛を受けとれない
パートナーシップでは、よく「束縛」の問題として現れます。
相手をコントロールしたい。
自分の思い通りになってほしい。
「自立」的な人ほど、そうした願望を抱くものです。
だから、相手のことをなんでも把握したがりますし、スケジュールや予定などを知りたがるのも、そうした心理からと見ることができます。
しかし、お察しのように、こうした束縛を続けていくと、その関係性というのはみずみずしさを失います。
みずみずしさ…というと抽象的ですが、平たく言えば「なんかおもしろくない」「なんかつまらない」と感じる関係になってしまうわけです。
まるで、結果をすでに知っているスポーツの試合を見ているような、そんな感覚に陥ることもあります。
パートナーシップの素晴らしさというのは、お互いの想像を超えた愛を与え合うことですが、そこから遠く離れてしまうわけです。
ときにそれは、とんでもなく怖ろしいことでもあるのですが笑
パートナーシップに限った話でもなく、子どもとの関係、あるいは仕事の上での関係などでも、同じことがいえます。
コントロールするほどに、束縛するほどに、関係性は枯れていきます。
そして、たとえそこで相手が愛を自分に送ってくれたとしても、なかなか受けとれなくなってしまいます。
「自立」するほどに、相手をコントロールしたくなる。
けれどもそれは、相手からの愛を受けとれなくしてしまうようです。
3.愛をもって手放す
「自立」するほどに、相手を、そして状況をコントロールしたくなる心理。
しかし、コントロールするほどに、受けとれる愛は少なくなっていくようです。
さしずめそれは、相手を鎖で縛りつけておいて、その相手が愛を差し出してきたとしても、受けとれないようなものです。
「縛っているから、そうしているだけだろう」とか、「いつか逃げ出そうとして、いい顔しているだけかもしれない」とか、相手の愛を疑ったりして、受けとれなくなってしまうものです。
私たちが「自立」するのは、欲しかった愛が、欲しかった形とタイミングでもらえなかったからです。
それなのに、「自立」を進めるほどに、その欲しかった愛から遠ざかってしまうというのは、切なく、そして悲しいものです。
やはり、コントロールは手放していくことが必要になるのでしょう。
「この鎖をほどいたら、どうせ戻ってこない」
そうした怖れを乗り越えて、愛をもって手放す。
ぎゅっと握っていた手を開いて、相手を見守るようなイメージでしょうか。
もちろん、相手は戻ってこないかもしれません。
その選択権は、相手にあります。
しかし、同時にその選択権は、自分自身にもあるのですよね。
コントロールから離れて、お互いがお互いを選ぶとき、私たちは愛を与え、そして受けとることができます。
そのとき私たちは、「自立」から次のステップへと歩みを進めるのでしょう。
今日は、相手を束縛するほどに、愛を受けとれない心理について、お伝えしました。
ここまでお読みくださり、ありがとうございました。
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