「諦める」ことは自己受容の一つですが、簡単に諦められないことがあるのもまた事実です。
しかし、諦められないことにこそ、才能の種は宿ります。
1.「諦める」ことは自己受容の一つ
昨日の記事では、「諦める」ことは、自己受容の一つというテーマでお伝えしました。
「諦める」ことは、誰かとともに生きるために必要な要素。 - 大嵜直人のブログ
「諦める」と聞くと、どこかネガティブな印象を受けるものですが、決してそうとは限りません。
そもそも、「諦める」という言葉自体が、「明らめる(=明らかにする)」が語源であるといわれます。
自分のことを、明らかにすること。
それは、決してネガティブなことではなく、むしろ自己受容の一つといえます。
「自分は、これができない」と明になればこそ、私たちは次の一歩を踏み出せます。
「できるようになるように、努力しよう」
「誰か、それをできる人に頼ろう」
といった具合に。
逆に、それを認めなかったり、諦めなかったりすると、「自分で何とかする」以外の選択肢がなくて、しんどいものです。
「諦める」ことで、私たちは誰かを頼ることができるようになるものです。
「諦める」ことは、自立を手放して、誰かとともに生きるために必要な要素であるようです。
2.なぜ、諦められないのか?
しかし、だからといって、「そうか、じゃあ諦めよう」と思うことができればいいのでしょうけれど、そうもいかないものです。
もちろん、「はい、諦めよう」と思えることもあるでしょう。
しかし、そうやって簡単に諦められることがある反面、どうしても諦められないこともあります。
後者があるから、人は悩み、苦しむわけですよね。
では、なぜ諦められないことが、あるのでしょうか。
それが、今日のテーマです。
そのテーマを考えるヒントとして、二つの視点があります。
一つは、自立という視点です。
「諦める」ときに、心理的な抵抗であるのが、「なんか負けた気がする」という心理です。
これは、競争や勝ち負けにこだわる、「自立」の心理からきています。
言い換えると、「諦める」ことに抵抗を感じるところは、自分自身が「負けてはならない」「誰も頼れない」と感じているところです。
それがゆえに、誰よりも頑張ってきたのでしょうし、泣き言の一つも言わずに、やってきたのだと思います。
もちろん、そのおかげで、たくさんできることが増えたという側面はあると思います。
けれど、その「負けてはならない」という心理が、生きることをしんどくさせてしまうこともあります。
そして、その「負けてはならない」ことは、自立を手放すためのキーストーンといえます。
なぜ、そんなにも一人で頑張ってきたのでしょうか。
誰も、助けてくれなかったからでしょうか。
それとも、大切な誰かのために、でしょうか。
少し立ち止まって、それを考えてみることは、自分の人生の中で実に有益なことといえます。
自分の中で、「諦められない」こと。
それは、自立を手放し、誰かとともに生きるために見つめ直すためのテーマを、実に正確に教えてくれるようです。
3.諦められないことにこそ、才能がある
なぜ、諦められることと、そうでないことがあるのか。
もう一つの視点は、才能のありか、という点です。
大原則ですが、私たちは大切なことにしか悩みません。
そして、大切なことだからこそ、悩むわけです。
だから、その人の悩みとは、その人の心のベクトルが向いている方向、そして、才能のありかを、実に正確に教えてくれます。
パートナーシップに悩む人は、豊かなパートナーシップを築く才能がある人です。
ずっと居場所がなくて悩んでいた人は、誰かの居場所を作ってあげられる人です。
お金について悩んできた人は、豊かさについての才能を持っています。
それと同じ視点で、「諦められない」ことを考えることができます。
「諦められない」ことにこそ、才能は宿る。
こう書くと、「諦めなければ、必ず才能が花開く」という、教訓めいたことに聞こえるかもしれませんが、決してそうではありません。
むしろ、その逆です。
「諦められない」のに、自分の才能の無さに絶望するかもしれません。
自分の望んだ才能が、与えられていないことに、恨みつらみを抱くこともあるかもしれません。
そこで、自暴自棄になってやめてしまうことは、今日のテーマの「諦める」ことではありません。
それもこれも、全部受け入れた上で、それでも自分のできることを探すのが、「諦める」ことといえます。
もしかしたら、それは自分が考えているような形には、ならないかもしれません。
けれども、その「諦める」ことの先にあることは、必ず、あなた自身しかできないことです。
いや、あなたと、あなたの周りの大切な人たち、と言った方が、正確なのでしょうね。
今日は、「諦められない」ことについて、いくつかの視点で考えてみました。
ここまでお読みくださり、ありがとうございました。
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