「ライフワーク」を考えるときに、「相互依存」の視点が必要になります。
「自分の歩く道は、誰を幸せにするのか？」という問いかけは、そうした視点を教えてくれます。
１．「ライフワーク」は、誰かとともに
ここのところ、「ライフワーク」に関するテーマを続けております。
昨日は、「ライフワーク」は誰かとともに歩くという視点が必要、というテーマでお伝えしました。
「ライフワーク」は一人では歩けないから、「ともに行く」という感覚が必要。 - 大嵜直人のブログ
一口に「ライフワーク」といっても、いろんな語義があります。
ここでは、「その人らしい生き方」という意味でお伝えしています。
それは仕事や住む場所、パートナーシップや家族といった人間関係、何を深めていくか？といった視点を含めた、総合的な生き方のデザインになります。
自分自身の、生き様。
それを一つの芸術作品ととらえ、磨き上げたときに立ち現れるもの。
それが、「ライフワーク」ということができそうです。
さて、そのようにして「ライフワーク」を考えると、それは自分一人で完結するものではありません。
芸術作品にしたって、そうですよね。
その歴史的な背景、そしてそれを観る人がいてこそ、それは作品として成立する。
「ライフワーク」にしても、同じです。
周りの人とのつながりの中でこそ、私たちは自分らしさを発揮することができます。
そのつながりを取り戻すために、自分を愛することが大前提として必要である、というのが昨日のテーマでした。
２．「依存」も「自立」も越えて
この「つながりの中で生きる」ことを、依存と自立、相互依存の視点から見ることができます。
「ライフワーク」は、自分一人で歩くことはできない、と先に書きました。
その「一人」を、「依存」あるいは「自立」と置き換えることができます。
「依存」と「自立」は、正反対のように見えますが、「その世界に自分しかいない」という点で似ています。
「依存」は、自分では何もできないから、誰かに何とかしてほしい、という状態です。
それは、誰かとつながっているようにも見えますが、そこにあるのは「自分」のニーズや要求、痛みです。
そこに、相手という視点が欠けています。
だから、与えてもらえないことに傷つき、何でも自分でやろうと「自立」していきます。
「自立」は言うに及ばず、自分一人で何とかしようとする心理です。
「依存」時代に傷ついたがゆえ、誰かの手を借りず、助けを求めず、自分一人の力で何とかしようとする。
そこに、他人はいませんし、つながりは薄くなります。
「自立」も、他人に与えようとはします。
しかし、その動機は無力感からであったり、犠牲や取引、あるいは癒着からだったりします。
そこにあるのは、自分の痛みであり、癒されていない私がいるだけです。
だから「誰かと歩く」ためには、「自立」を癒し、「相互依存」の心理に向かう必要があります。
「ライフワーク」と、「相互依存」の心理は、とても密接な関係があります。
３．「誰のために？」という問いかけ
「相互依存」は、「自立」を経て至ります。
いきなり「依存」から、至ることができません。
まずは、自分の足で地に立つこと。
そうした上に「相互依存」はあり、「ライフワーク」はあります。
しかし、多くの人が問題を抱えるように、この「自立」がなかなか手放せないんですよね。
「依存」時代に戻ってしまうのではないか、という怖さもあるでしょうし、いままで頑張ってきた自分を否定してしまうような怖さもあるのでしょう。
カウンセリングで出てくる問題も、その多くが「自立」に起因するものでもあります。
さて、その「自立」を癒す、手放す一つの視点が、先日からお伝えしている「自分を愛すること」「自分の歩いてきた道を愛すること」です。
自分を満たし、受け入れ、愛する。
それができてこそ、私たちはたいせつな人たちとつながっていくことができます。
自分を愛することから「ライフワーク」をはじめる、という視点。 - 大嵜直人のブログ
今日はそれに加えて、もう一つの視点をお伝えしたいと思います。
まあ、小見出しでもう伝えてしまっているのですが笑
そう、「あなたの歩く道は、誰を幸せにしますか」という問いかけです。
「あなたの『ライフワーク』は、誰を笑顔にしますか」でも、いいと思います。
いきなり言われても、なかなか出てこないかもしれません。
すぐに答える必要もないのですが、ゆっくり考えてみる価値のある問いかけだと思います。
「自立」のマインドでは、なかなかその問いかけには答えられないんですよね。
誰とつながるのか。
誰のために生きるのか。
誰が笑顔だと、自分の心は満たされるのか。
そういった視点がないと、真に答えるのは難しいですし、どこかしっくりこない答えになってしまうものです。
けれど、私たちの心は、問いかけ続ければ、必ず答えを出してくれます。
ぜひ、あなたの歩く道が、誰を幸せにするのか、考えてみてはいかがでしょうか。
今日は、「ライフワーク」と「相互依存」の心理についてお伝えしました。
ここまでお読みくださり、ありがとうございました。
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