5月、新緑、薫風の季節。
その立夏を過ぎたころ、熱田神宮を訪れることができました。
七十二候では「蚯蚓出(みみずいづる)」。
冬眠していたミミズが、土の中から出てくるころ。
ほかの虫たちは3月上旬の「啓蟄」のあたりで出てくるのですが、ミミズはのんびりやさんのようです。
昔、小学校の校舎の北側の、じめじめとした土の中で、よく見つけたことを思い出します。
なぜ、そんなところの土を掘っていたのかは、ナゾですが…
小学生男子の行動は、よくわかりません笑
この日の予報は、一日じゅう小雨。
神宮に向かう途中も、ぽつぽつとフロントガラスをたたいておりましたが、駐車場に車を停めるころには、いったん止んでいました。
いちおう傘を持って、参道へ。
手ぶらが好きなのですが、いまにもまた振り出しそうなので、仕方ない。
新緑、薫風というにはほど遠く、じめっとした空気が、顔にまとわりつきます。
ほんの少し前は、凛とした冷たい空気のなか、参拝したような気がするのですが…
季節が流れるのは、ほんとうに早いものです。
この日も、駐車場に着いたとたんに、大きな鳴き声を聞かせてくださった神鳥さま。
参道のわきを、ひょこひょこと。
きょうも、おせわになります、とごあいさつを。
おう、まあ、ゆっくりしていけや。
…と言われたような。
しっとりとした湿気のなか、大楠は静かにその姿をたたえておられました。
樹齢約千年、弘法大師さまお手植えとのこと。
千年という時、その重なりを想います。
参道を歩いていると、じっとりとした湿気に、汗ばんできました。
今週は、ずっと雨かくもりの予報。
風薫る、ほんとうに気持ちのいい季節は、ほんとうにあっという間に過ぎていくようです。
それでも、この緑の鮮やかさは、湿気の中でも輝いていました。
もうすぐ、生命が天地に満ちあふれる「小満」も近いようです。
この日は参拝客も少なく、静かな参道でした。
玉砂利の音が、心地よく。
額ににじんだ汗を拭きながら。
今日参拝できたことに、御礼をお伝えしてきました。