師走のはじめ、熱田神宮を訪れました。
前日の夜から降っていた雨は、まだ少しぱらついていましたが、神宮の駐車場に着くころには上がっていました。
先月は、橙色のキンモクセイの香りが出迎えてくださいました。
今月は、鮮やかなイチョウの黄色が、目に留まりました。
社の屋根にも、降り積もる黄金の。
金色の ちひさき鳥の かたちして
銀杏ちるなり 夕日の岡に
与謝野晶子の、そんな詩が思い浮かびます。
紅葉も、もう終わりごろでしょうか。
今月も、ここに来ることができました。
神鳥さんが、鳥居まで出迎えてくださいました。
コッコッコッコ…と、今日も元気に境内を闊歩しておられました。
今日も、おじゃまいたします。
主のようなその鳥さんに、声をかけて鳥居をくぐります。
ついたちだったせいか、いつもよりも参拝客が多かったように感じました。
もうすぐ、あっという間に年末。
年が明けて初詣、初えびすも、もうすぐでしょうか。
凛とした冷たい空気のなか、少し先ほどまでの雨の湿気が残る境内。
冬のやわらかな朝日が、木々の間からのぞいていました。
この太陽の光を見るのが、好きなのです。
参道を歩いていると、その角度によって光の具合や色合いが変わっていきます。
千変万化する、その木漏れ日を浴びながら歩くのが、心地よく。
木々の向こうに見える陽の光は、円環を描いていました。
日輪、という言葉が思い浮かびます。
その日を浴びながら、おおきく息を吸って、そして吐いて。
師走の日、心地よい熱田さんの時間でした。