2020年、安田記念。アーモンドアイが負けたレース、ではなく。グランアレグリアが勝ったレース。そう語り継ぎたい、名勝負の余韻が残った。
毎年、息子は私にそれをまざまざと見せてくれる。問題を解決しようとするよりも、ビジョンを観ることを。今年は、そんなことを想いながら、ハンドルを握る私は我慢できずにあくびを繰り返す。
いつの間にか、雲は流れて形を変えていく。空を、見上げよう。芒種の、空を。
自分を愛するとは、ショーケースに並んだ美しいケーキではなく、生地をこねて生クリームを絞る過程である。
ただ、目の前の季節を見つめるように。ただ、目の前の紫陽花の色を眺めるように。その人を見てみたい。湧き上がる好きも、嫌いも、感謝も、恨みも、喜びも、尊敬も、ただそのままに。ただ、一緒に在る。
断酒して578日が経った。私にとってのお酒の「中道」とは、どんな状態だろうが。それを探していくことを、楽しんでいくのがよいのだろう。
あの日の紫陽花は、薄紫だったのだろうか。それとも、水色だったのだろうか。今年も、紫陽花の咲く水無月が訪れる。