大嵜直人のブログ

文筆家・心理カウンセラー。死別や失恋、挫折といった喪失感から、つながりと安心感を取り戻すお手伝いをしております。

アゲインストの風が吹いているときほど、高く遠くに飛べるんだ

今日はめずらしく時事ネタをご用意いたしました。

平昌で開かれているオリンピック。その中でもジャンプの競技が好きなのです。


 

雪や氷が絡むスポーツには何一つ縁がないのに、冬季五輪が好きだ。

それは私のオリンピックの最も印象的な体験が、18歳のときの長野オリンピックだからなのかもしれない。

その中でも、ジャンプが特に好きだ。

学生服の袖に隠したイヤホンで、学校で必死こいてジャンプ団体の実況を聞きながら「岡部K点越え大ジャンプ!再び首位に!」とかいうメモを回していたのを思い出す。

あの白馬で、降雪で中止になりそうだったそのジャンプ団体の競技が、代表から漏れた西方選手の試技の大ジャンプで続行になったとかのエピソードを聞き、ますますジャンプに惹かれた。

その後、毎年W杯が始まったり欧州の年末年始のジャンプ週間になるとそわそわしていたが、なかなかスポーツニュースで大きく取り上げられるまでにはならず、やきもきしていた。

そのうちにインターネットとやらが少しずつ普及していき、

ピーガリガリガリ・・・

というダイヤルアップ回線の接続で、海外の「ド」マイナーなジャンプW杯を追っかけているファンのサイトを見つけて、結果を見ては一喜一憂していた。どうもそのときからオタク気質だったのは否めない。

船木、岡部、葛西、齋藤、原田に、

シモン・アマン、

ヤニ・ソイニネン、

マルティン・シュミット、

アンドレアス・ビドヘルツル、

ヤンネ・アホネン、

プリモジュ・ペテルカ・・・

ライバルたちの名前は覚えているもんだ。

ジャンプの何が好きって、アゲインスト=向かい風が有利になること。一見有利なように見えるフォロー=追い風は不利だ。もう高校生の頃から、そんなところに惹かれる生粋のドM気質だったのかもしれない。

そして一方で、W杯上位の選手が飛ぶときは必ずいい風が吹くという、よく解説者が言うオカルトも、「ほぇー、そうなんかぁ」と純粋に信じている。

ということで個人ラージヒルを見ながら、ジャンプ好きだったことを思い出してニヤニヤしている。

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2018.2.17


 

ええ、スキーもスノボも行ったことのない雪山と縁遠い私ですが、冬季五輪の競技を観るのは好きなのです。

何と言うか、夏季五輪は己が肉体の限界に挑戦する美しさがありますが、冬季五輪は対自然という要素であったり鍛え抜いた技の披露であったり、華やかで好きなのです。その中でもジャンプは高校生の頃、長野オリンピックでメダルラッシュを目撃してから、ファンになりました。

その当時はマスメディアが報道する情報しか得られない時代から、パソコンとインターネットの普及に恩恵を受け始めた頃でした。夜中のテレホーダイとかいう電話かけ放題の時間を見計らっては、スキージャンプが好きな個人のホームページを探しては、リアルタイムのW杯の結果を見て感動していたのを覚えています。しかしこれが写真1枚を表示するのに数分かかるレベルで遅かった。

当時はそんなもんだと思っていましたが、あれから20年。今ではスマホの普及でいつでもどこでもどんなマイナーな競技であっても、それが好きな人たちが発信してくれるおかげで情報を得ることができます。あらためて、すごい時代になったものです。

 

そんなスキージャンプ。

あんなにも大きなジャンプ台から美しく高く遠く飛んでいく選手たちを見るたびに、「アゲインストの風もこんなふうに乗りこなして飛び越えていこうぜ!」と語りかけてくれるようです。

生きることも同じように、アゲインストの向かい風が吹いているときほど、実は高く遠くへ飛べるチャンスなのかもしれません。

今日の夜は、そんなスキージャンプ団体が行われますね。

素晴らしいジャンプを披露する選手たちを見て、また勇気をもらいたいと思うのです。

どうぞ、ごゆっくりお過ごしください。