今日は二十四節気の一つ、大雪。
いよいよ、山々が雪に覆われ始め、本格的な冬の到来が目に見えてわかる時節。
つい先日まで12月とは思えない陽気の日もあったのだが、この週末はいよいよ寒波が訪れるようだ。
目に映る世界は何も変わっていないように見えて、その実、とどまるものは何もない。
そのおそろしいほどの正確さは、ときに救いで、ときに残酷だ。
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それに加えて、今日は新月らしい。
新月の日は何かを始めたり、願いを形にするのにいい日だそうだ。
いまの私の願いは何だろう。
ふと考えてみる。
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今日の日の寂しさと痛みを、
ずっと忘れないでいること。
喉に棘の刺さった猛禽類のようなそれを、
そっと優しく抱くことができること。
何も聴こえない轟音のような静寂の中で、
あなたが訪れるのを待つこと。
やってきたあなたは、私の隣にそっと座ること。
微笑みを浮かべ、優しく私の肩を抱いてくれること。
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そのとき、どんな空が広がっているのかな。
縁側から覗く長月の、クーラーのように涼しい空かな。
地平線に沈む、梅雨のない水無月の夕暮れかな。
弥生の霞がかった空に沈む、太平洋の夕暮れかな。
それともやっぱり、師走の透き通った日本海の空かな。
やっぱり、寂しいんだな。
でも、そのときまで、この寂しさと痛みを大切にすることにしよう。
凍らせるのではなくて、棘を抜くように暖かく抱きしめていよう。
また会えるかな。
また会いたいな。