お誘いいただいて、刈谷市の「魚屋ごんべえ」さんを再訪した。
お誘いいただいたのは、この「魚屋ごんべえ」さんを紹介頂いたご縁の知人で、その知人のお店の周年祝いとお誕生日のお祝いを兼ねて。
お祝いの席というのは、楽しいものだ。
付き出しの渡り蟹。
ほのかな酸味の蟹酢とともに、食欲を目覚めさせてくれる。
今日この日の奇跡を想う一皿。
赤いかを炭で焼く。半生くらいでちょうどいいくらい。
身もゲソも、噛み締めるほどに美味しい。
「イカは焼くだけで美味いよなぁ…」と友人としみじみ。
炭を置いたまま、巨大なしいたけと、鶏せせりのタレ。
大きなしいたけは噛み締めるほどに美味しく、そしてせせりの滋味がたまらない。
お造り、かつおとさんま。
友人のリクエストだそうだが、薬味との色の対比が見事な美しい一皿。
戻り鰹の脂と、さんまの鮮烈な美味しさ。
美しい一皿を前にして、話も弾む。
松茸土瓶蒸し。
中毒性のある出汁に、すだちのアクセント。
秋が、やってきた。
このあとに生牡蠣に「みぞれ酢」を添えた一皿がきたが、撮るのを失念してしまった。
ぽん酢ではなく、大根おろしと甘酢でつくる「みぞれ酢」は、あっさりとして牡蠣の旨味が浸みるように味わえて、美味しかった。
さわらの幽庵焼き、玉ねぎの甘酢漬けを添えて。
日本に生まれてよかった。
天ぷら盛り合わせ、オクラ、とうもろこし、れんこん、きす、白えび。
どれも素晴らしかったが、夏の終わりのオクラが抜群に美味しかった。
夏の名残のような、ほくほくのオクラ。
夏の間は生で食べることが多かったが、火を通しても美味しいものだ。
最後は松茸ご飯と赤だしで。
日本の秋。もう何も言うこともない。
漬物はきゅうりのビール漬けだそうで、甘みがついていいて美味しい。
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ご一緒させて頂いた友人と出会ってから、数えればもう15年も経っていた。
「ごんべえ」さんのフルコースに秋の訪れを感じながら、時の流れの早さと偉大さを想う夜だった。
ごんべえさん、ありがとうございました。
とっても美味しかったです、ごちそうさまでした。