早いもので、今日から5月、皐月。
薫風、新緑の季節。
一年で、最も心地よい時期の一つだろう。
暦の上では、立春から数えて88日目の「八十八夜」。
どこか感傷的な「夏も近づく…」の唱歌が思い浮かぶ。
新茶の摘み取りの季節、そしていよいよ農作業が本格化する節目の時候でもある。
春から夏へ。
冬の眠りから目覚めた生命は、日増しにぐんぐんとその力を増していくようだ。
特に、昼間の時間が長くなったことに、それを感じる。
もう来月には夏至がやってくる。
そして、それを過ぎると徐々に昼の時間は短くなっていく。
それを考えると、いまが最も生命力に満ちあふれているのかもしれない。
夏至の前に、夏の盛りを感じることは難しい。
けれど、何かを変えるタイミングがあるとするならば、それはその瞬間なのだろう。
川沿いの道も、生命力にあふれた花が咲き乱れ。
黄色も緑色も、いまが盛りなのかもしれない。
午後から雨が降るようで、少し湿った風が吹いていた。
それもまた、心地よく。
近くの小学校の近くの公園は、めずらしく誰もいなかった。
連休始まりだからだろうか。
変わらず、吹く風が心地よかった。
皐月の風、新緑の香りを運んで。
ベンチに腰掛け、少し目を閉じていた。
木々のざわめきが、耳を撫でていてくれた。
新緑の音、薫る風の音。
どこまでも、心地よい音。
その音に、遊びにきたであろう子どもの声が混じってきた。
大型連休始まりで学校も休みで、一番楽しい時期だろう。
もう少し、このまま木々のざわめき、皐月の風に身を任せていようと思った。