少し、気温が下がる日が続きました。
とはいえ、時候は「穀雨」のなかごろ、「霜止出苗(しもやみてなえいづる)」の時候。
霜も降りなくなり、苗が育つころ。
田植えの準備に、農家が忙しくなる時候です。
棚田で稲作を育てている私の知人を、思い浮かべるころでもあります。
冬の間の準備を経て、忙しくなってきたころでしょうか。
「穀雨」の名の通り、この時期の雨は地上にある穀物を元気に育てる力を持つようです。
そのせいでしょうか。
目に映る木々の緑も、咲く花たちも、その色に力を感じさせてくれるようです。
はっとするような、ツツジの赤。
あるいは、この時期の心地よい風に揺れる、新緑の色。
陽の光に映えるその色は、実に生命力にあふれた色です。
そして、この青系統の色の花を見かけると、夏の訪れを感じさせてくれます。
初夏を過ぎると、もうすぐ紫陽花も咲いてくるでしょうか。
そして、まだまだ顔を見せてくれる、タンポポの黄色。
この黄色もまた、生命力に満ちあふれているようです。
目に映る色の多くに、熱を感じることができます。
気づけば、ずいぶんと陽が落ちるのも遅くなりました。
陽の光の強さはどんどんと力を増し、いよいよ夏が近づいていくようです。
穀雨。
その色に、熱を感じるころです。
その熱に、身を任せていたいものです。