時の流れに区切りがあるわけではないと思うのですが、それでも月が変わると感じるものが変わるようです。
月の区切りは、人が定めたものなのに、不思議なものです。
早いもので、もう9月になりました。
そんな9月、長月に、熱田神宮を訪れることができました。
いつもの南門から。
8月に訪れたときを思い返すと、ずいぶんと気温も下がったように思います。
それでも、まだまだ残暑というか、歩いていて汗ばむ陽気は変わりませんが…
ただ、朝夕の気温の変化は、はっきりと季節が変わったことを教えてくれます。
時候は、暑さもやむという「処暑」。
七十二候でも、ようやく暑さが静まるころとされる、「天地始粛(てんちはじめてさむし)」。
今年は、9月も厳しい残暑が続くようですが…
上知我麻神社の境内から。
見上げると、空の色が、もう秋のそれでした。
熱を帯びた、エネルギーに満ちた夏の色から、どこかに静けさをたたえた、澄んだ秋の色に。
ここまで明確な秋を感じると、夏が終わる感傷よりも、秋が訪れることへの驚きと喜びの方が勝るようです。
八剣宮もまた、秋の色で。
より、静謐さが増すようにも感じます。
夏のお宮もいいですが、秋のそれもいいですよね。
そういえば、この日は神鶏さんの声も聞こえず、猫さんのお出迎えもなく。
心静かに参拝しなさい、ということなのでしょうか。
長月ついたち。
ついたち詣でをする方で、参道はいつもよりも賑わっていました。
たくさんの方が参拝に来られて、今日は熱田の神さまも、喜んでおられるでしょうか。
熱田神宮の境内には、神話の時代からの熱田神宮の縁起が掲示されています。
千年、二千年と、人々の祈りが積み重ねられてきたことを想うと、背筋が伸びるようです。
本殿の前でも、秋の空。
手を合わせて、静かに参拝を。
一人でこうして歩いて、一人で祈る時間。
それは、私にとって何よりも大切な時間、満たされる時間のように感じます。
あなたにとって、満たされる時間は、どんな時間でしょうか。
人と会っている時間でしょうか。
家でくつろいでいる時間でしょうか。
それとも、何かに没頭している時間でしょうか。
その時間を、大切にしていただきたいな、と思うのです。
今月も、おかげさまでここに来られました。
そのことへ感謝申しあげ、また来ようと思います。