新しいことを始められないとき、動けないとき、一歩踏み出せないときは、誰にでもあります。
そんなときは、まずはその状態を肯定的に受け入れることから始めることがおすすめです。
1.「怖れ」の心理
昨日の記事では、「怖れ」の心理がテーマでした。
「怖れ」は無理矢理に乗り越えようとするよりも、そのはたらきに感謝しつつ手放すのがおすすめ。 - 大嵜直人のブログ
「怖れ」とは、過去の経験から未来を予測することから生まれます。
過去に痛い思いをした経験があると、二度とその痛い思いをしないぞとばかりに、同じ状況を避けようとします。
そういった意味では、「怖れ」とは一種の防衛反応でもあるといえます。
そして、「怖れ」とは予測であり、実際に起きていることを感じているわけではない、というのがポイントになります。
「不安に感じることの9割は、実際には起きない」という言葉も、よく聞きますよね。
しかし「怖れ」を感じると、私たちの心も身体も、縮こまって身動きがとれなくなります。
それゆえに、「怖れ」があると、新しいことを始めることが難しくなったり、何かにチャレンジすることを避けようとしたりします。
痛い思いをしないように避けるのはいいのですが、まったく身動きがとれないのもまた、困りものですよね。
そうしたときに、無理矢理に「怖れを乗り越えよう」とするのではなく、「怖れに感謝して手放す」のがおすすめというのが、昨日のテーマでした。
先に書いたように、「怖れ」とは、自分の心の防衛反応でもあります。
いままで、自分を守ろうとしてくれたんですよね。
そのはたらきに感謝しつつ、「いま」の自分には必要なければ、そっと手放していく。
そんな向き合い方ができれば、「怖れ」もまた、私たちの味方と思えるのではないでしょうか。
2.アクセルとブレーキ、両方あるから走れる
「怖れ」は、たとえるなら「車のブレーキ」です。
スピードが出過ぎたとき、なにか危険があるとき、止まるために使うものです。
当たり前の話ですが、ブレーキのない車はありませんし、もしブレーキが壊れていたら怖くて乗れません。
ちゃんと車が走るためには、ちゃんとブレーキがあることが必要です。
アクセルとブレーキ、その両方があるから、車は走ることができます。
ごく当たり前の話ですが笑
しかし、心のはたらきを見るとき、私たちはアクセルの方だけを評価しがちです。
ものごとを前に動かす、チャンレジする、変化を促す、前進する…
どれもこれも、私たちがよりよく生きるために大切なことであることは、間違いありません。
しかし、それと同じくらいに、ブレーキも大切です。
F1のレースに出るようなスーパーカーには、とても優秀なブレーキが備わっています。
きちんと怖れを感じること、立ち止まること、留まること、根を張ること…
そういったイメージでしょうか。
もちろん、ブレーキを踏んだままでは、車は動きません。
ずっと「怖れ」にとらわれていても、ものごとは動いていきません。
必要なときにアクセルを踏み、必要なときにブレーキを踏む。
そのバランスが、大切なのでしょう。
だからこそ、「怖れ」を悪者にするのではなく、その価値を認めて感謝しつつ手放す、というアプローチがおすすめしています。
3.動けないときは、まずはそれを肯定する
自己肯定の一歩目は、いまの自分が感じていること、自分の状態を受け入れることからはじまります。
新しいことを始めようとしても、できないとき。
なんだか、動けないとき。
怖れを感じているとき。
一歩目を踏み出せないとき。
頭では、そうしないとと思っていても、なかなかそれができないときは、ありますよね。
そんなとき、どうしても「踏み出せない自分を否定する」方向に、心が向いてしまいがちです。
でも、そうすると、自己否定のスパイラルに入ってしまいますよね笑
そうではなくて、「動けない」という自分の反応を、そのままに受け入れてあげることが大切です。
そこに、いいも悪いもありません。
ただ、自分の心が、怖れなのか、何かを感じて、そうさせているのでしょうから。
それを否定してしまうと、自分そのものを否定してしまうことになります。
そうではなくて、「動けない」のもまた、きっとそうせざるを得なかったのだろう、ととらえてあげる。
それは、過去の失敗や、何がしかのわだかまりや、そうしたものが引っかかっているのかもしれません。
何かの事情があって、「動けない」のでしょう。
その反応自体を、否定せずにそのままにしてあげる。
それが、とても大切な一歩目です。
それを受け入れると、次に選ぶことができます。
「その動けない原因を、探してみよう」
「ほんの少しでも動けるところから、はじめてみよう」
「いまは動かずに、心と身体を休めよう」
どれが正解かということもありませんし、何度でも選び直すこともできます。
そのためにも、まずは「動けない」という自分自身の反応を、受け入れてあげることが大切になります。
「動けない」と感じたときの、ご参考になりましたら幸いです。
今日は、「動けない」ときの考え方というテーマでお伝えしました。
ここまでお読みくださり、ありがとうございました。
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