自己肯定の大原則は、いまそのままの自分を否定せず、受け入れることです。
しかしそれは、自分からは何もしなくてもいい、というわけではありません。
1.「怖れ」への処方箋
昨日の記事では、「怖れ」で動けないときのヒントについてお伝えしました。
動けないとき、一歩踏み出せないときは、まずはその状態を肯定的に受け入れることから。 - 大嵜直人のブログ
「怖れ」とは、過去の経験から未来を予測し、痛みや傷を避けようとする心のはたらきです。
「もう二度と、あんな思いはしたくないぞ」という想いが強くなり、新しい動きや一歩踏み出すことを躊躇させます。
「怖れ」を感じると、身動きがとれなくなるわけです。
こうした「怖れ」を感じると、「なんとかこの『怖れ』を乗り越えないと」という方向で頑張ろうとしがちですが、昨日の記事では別の方向性をご紹介しました。
それは、「怖れ」の恩恵に目を向け、感謝とともに手放す、という考え方です。
「怖れ」自体は、心の防衛反応であり、私たちの心がなんとかして、自分自身を守ろうとするためにあらわれるものです。
いわば、心のブレーキみたいなものといえます。
それを、「こんなもの、無い方がいい!」としてしまうと、もっと怖いことになってしまいそうですよね。
ブレーキのない車には乗りたくありませんし笑
いままで、自分自身を守ろうとしてくれていたのが、「怖れ」です。
それゆえ、まずは自分が「怖れ」を感じていることを、受け入れること。
そして、そのはたらきに感謝しつつ、「いまは大丈夫だよ」と手放していくと、とても自然な形で進めるのではないでしょうか。
青信号になったから、ブレーキパッドから右足を離して、アクセルに乗せ換えるように。
そんな「怖れ」との向き合い方が、昨日のテーマでした。
2.自己肯定の大原則 ~そのままの自分を受け入れる
「怖れ」に限らず、自分を受け入れる、自分を肯定するときに、まずはそのままの姿を受け入れるというのが、とても大切な視点です。
自己肯定の大原則、ともいえるでしょうか。
私たちは、一人ひとり違う個性を持っています。
しかし、私たちはどこか、自分自身をすべての点で「合格点」でないといけない、と感じてしまうものです。
いけない、というか、「愛されない」と感じてしまうといった方が、正確かもしれませんね。
すぐネガティブに考えてしまう自分。
ちょっとおなかが出ている自分。
パートナーに依存してしまう自分。
いつもいい人をしてしまう自分。
…などなど、私たちのなかには、いろんな自分がいます。
そうした自分自身のすべてが、「合格点」でないといけない、と思ってしまうわけです。
それゆえ、「合格点」に満たない自分は、変えないといけないし、それができなければ人前に出さないように隠すしかなくなります。
でも、それがどのような面であれ、自分を変えたり、隠したりするのは、しんどいものですよね。
言ってみれば、自分で自分を否定しているわけですから。
自分を受け入れる、愛するとは、それとは違います。
そのいびつな形のままの自分自身を受け入れ、愛し、肯定してあげることです。
え?「合格点」に届いていないのに、大丈夫なの?
もしかしたら、そんな声が聞こえてくるかもしれません。
でも、大丈夫なんです。
そんな「合格点」なんて、ほんとはどこにもありません。
もしあるとすれば、愛されなかった経験のなかから、自分自身が引っ張ってきた幻想かもしれません。
あなたがあなたを愛するかどうかは、あなたが決めていいのです。
3.自己肯定と現状維持の違い
何も足すこともなく、何も引くこともなく。
ただ、そのままの自分を受け入れる、というのが、自己肯定の大原則です。
しかしそれは、「現状のままでいい」ということと同義ではありません。
こうした自己肯定は、「(自分からは)何もしなくてもいい」と解釈されることがありますが、それは少し違うんですよね。
いま、そのままの自分を受け入れる。
それは、自分が感じていることに素直になる、ということでもあります。
もし、何かがイヤだと感じるのであれば、私たちはそれを変えていくことができます。
しかし、それを自己否定からはじめてしまうと、しんどいものです。
「こんな自分はダメだし、愛されないから、変わらないといけない」
という想いから起こす行動は、なかなか続かなかったりしますよね。
分かりやすいのが、ダイエットでしょうか。
そのような自己否定から始めるのではなく、「自分の求めるものを目指す」というポジティブな動機から始めることは、私たちを実に大きく成長させてくれます。
いまの自分をそのままに受け入れる、ということは、決して「ずっといまのまま変わらなくていい」というわけではありません。
私たちは、自分の望む姿に、自分を変えていくことができます。
そのベースになるのは、やはり自分を受け入れる自己肯定になるのでしょう。
今日は、いまを受け入れてこそ、望む姿に自分を変えていくことができる、というテーマでお伝えしました。
ここまでお読みくださり、ありがとうございました。
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