今日は、暦の上では「入梅」です。
文字通り、梅雨入りするという意味の時候ではありますが、今年はもう多くの地域が梅雨入りしているようですね。
私の住んでいる東海地方でも、5月の終わりから梅雨入りしており、ここ数日はいかにも「梅雨らしい」天気が続いています。
ざっと勢いよく降るわけでもなく。
どこか滴るように降る、この時期の雨というのは、風情があります。
今日も、朝からずっと梅雨らしい雨が降り続けています。
長く続く雨は、農作業にとっては欠かすことのできないものでもあります。
そんな雨に濡れながら、いつもの川沿いには紫陽花が佇んでいました。
この青系統の色が、梅雨の訪れ、そしてその先にある夏を感じさせてくれます。
青い色の花というのは、とても印象的です。
さて、記憶を呼び起こす感覚、というものがあるように思います。
そして五感のなかで、その傾向が強い感覚と、そうでない感覚があるように感じます。
私の場合は、色と、音でしょうか。
何がしかの色を見て、いつか見た景色を思い出したり。
ある音やメロディを聴いて、いつかの記憶を思い出したり。
そんなことが、多いように思います。
色と、音。
香りや味、あるいは肌触りなどの方が、そういった傾向が強い、という方もいるのでしょうか。
紫陽花の青さは、どこかやさしく、そして懐かしい色をしています。
そして、このしとしとと降る雨の音は、いつか雨のなかを歩いた記憶を呼び起こしてくれるようです。
記憶とは、実に不思議です。
人の脳なのか、心なのか、どこかに仕舞われているのですが、ふとした瞬間に、それはよみがえります。
それは、過去にあったどこかの場所や時間のできごとではなく、どこかいまの風景に、重ね合わされているようにも感じるのです。
そのできごとや、そのときの色、あるいは音を、いま経験しているような。
その度に私は、時間とは過去から未来へと直線上に流れていくものではないように、感じます。
それはどこか、過去のできごとは、いまの風景に、重ねて塗られている。
もしかしたら、それは未来のこともまた、同じなのかもしれません。
そう考えると、この目の前の紫陽花の色と、雨の音が、なおさら不思議なものに感じるのです。
今日は、少しとりとめもないお話になってしまいました。
あなたのお住まいの地域は、梅雨らしい天気だったでしょうか。
やさしい梅雨の時間になりますよう。