「愛し方」が星の数ほどあるように、自分自身の愛し方もまたたくさんの方法があります。
そのなかでも、自分の感じることを否定せずに見守る、という愛し方をご紹介します。
1.「自分を愛する」という原理原則
昨日の記事では、「自分を愛する」という原則に何度でも立ち戻ることの大切さについてお伝えしました。
心理学を「自分責め」に使わないために、当初の目的を振り返ってみることの大切さ。 - 大嵜直人のブログ
心理学を学んでいくと、自分の心の動きや行動を、それまでとは違った視点で見ることができるようになったりします。
「パートナーに癒着してしまってるな」
「いつも自分は犠牲をしてしまうな」
「これは怖れから行動しているな」
…などなど、自分の心の動きや行動を、客観的に見られるようになったりします。
それは素晴らしいことなのですが、そこで何がしかの「判断」を入れてしまうと、途端に心理学に触れるのが苦しいものになります。
「まだ許せてない自分は、ダメだな」
「もう別れて1年も経つのに、手放せないなんて…」
言ってみれば、心理学を知るなかで、それを「自分責め」の道具にしてしまっているといえます。
多くの人が、心理学に触れるのは、自分のなかの何らかの葛藤を解消したい、と思うからではないかと思います。
言葉を変えると、それは「もっと自分を愛せるようになりたい」という願いとも言えます。
そうした願いが、いつしか自分を責めることに変わってしまったら、これほど悲しいことはありません。
だから、「自分を愛する」という当初の目的に立ち返ることは、とても大切なことといえます。
昨日の記事では、そんなテーマでお伝えしました。
2.自分の感じることを否定しない
この「自分を愛する」ということ。
壮大なテーマではありますが、その方法の一つとして、「自分の感じることを否定しない」ことがあります。
私たちは、誰よりも自分に対して厳しくしてしまうものです。
自分以外の他人には、決してかけないような言葉を、自分にだけ投げつけていたりします。
その言葉のもとになっているのが、自分の感じたことに対しての「判断」といえます。
「こんな風に思ったら、いけない」
「そんなことは、自分勝手だ」
「しんどくても、がんばらないとダメだ」
自分の感じていることに、否定的な「判断」をしてしまい、自分に対してひどい扱いをしてしまう。
これは、しんどいものです。
24時間一緒にいる人から、「あれはダメ」「これもダメ」と、常にダメ出しをされてしまったら、もう気が滅入ってしまいますよね。
自分を否定してしまう傾向があると、そんな扱いを自分自身に対してしてしまうものです。
そうしたことを防ぐために、まずは「自分の感じることを否定しない」という愛し方があります。
感覚としては、3歳児の話を聞くように、自分の感じたことを受けとめてあげるような感じがおすすめです。
「そうなんだね。そう感じたんだね」
「そうか、とってもしんどかったんだね」
「あなたは、そうしたかったんだね」
諭すでもなく、理を説くでもなく、導くでもなく。
ただ、そのまま感じたことを、否定せずにいてあげる。
それが、「自分を愛する」ことの形のひとつです。
3.「ただ見守る」という愛し方
百人いれば百通りの「愛し方」があるように、「自分を愛すること」にも、たくさんの方法があるのでしょう。
そのなかでも、先に書いたような、「自分の感じたことを、否定せずにいてあげる」ことは、誰にとっても安心できる「愛し方」ではないかと思います。
感じていることを、否定しない。
そのままに、聞いてあげる。
ただ、見守る。
どんなときでも、変わらずにそこにいる。
先ほど、24時間一緒にいる人にダメ出しをされ続けていたら、これほどしんどいことはない、ということを書きました。
その逆に、24時間一緒にいてくれる人が、ずっと温かな目で見守ってくれていたら。
これほど、安心できることもないのではないでしょうか。
自分を、自分がどのような瞳で見つめるのか。
責めるような、そんな視線で見るのか。
それとも、慈しむような、あたたかな眼差しで見るのか。
それは、自分自身が選べると思うのです。
そのために、まずは自分が感じたことを否定しない、という愛し方は、とても大きな恩恵を与えてくれます。
今日は、自分の愛し方というテーマで、お伝えしました。
ここまでお読みくださり、ありがとうございました。
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